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来週のドルは最近のレンジを踏襲か、米中対立や日米合意がリスク
[東京 20日 ロイター] - 来週の外為市場でドルは最近の取引レンジ内に収まるとの見方が多いが、米中対立の悪化や中東情勢がリスク要因として意識されている。25日の日米首脳会談では日米通商交渉の大枠合意を受けた文書が署名される見通しだが、現時点で合意内容に関する情報が乏しく、蓋を開けた結果、日本に不利な内容であれば円高圧力が醸成される可能性がある。
予想レンジはドルが107.00─109.00円、ユーロが1.0950―1.1150ドル。
トランプ米大統領に非公式に助言しているハドソン研究所の中国戦略専門家マイケル・ピルズベリー氏は、貿易協定が迅速に合意されない場合、トランプ大統領には中国との貿易摩擦を激化させる用意があるとし「関税の引き上げは可能で、低水準の関税を50%や100%に引き上げる可能性がある」と述べた。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが19日報じた。
来週は「米中対立や中東情勢の行方と月末の実需関連のフローが注目される」とトウキョウフォレックス上田ハーローの営業推進室長、阪井勇蔵氏はいう。
金融政策と為替相場の関連では「米連邦公開市場委員会(FOMC)はタカ派的なメンバーの存在が目立ち、年内あと1回利下げするか、あるいは据え置きとの市場予想も出始めている。連続利下げにならないのであれば、ドルは一定の底堅さを保ちそうだ」と同氏はみている。一方で、日銀が19日に金融政策を据え置いたことで、投機的な円売りは抑制される公算が大きい(同)という。
FXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は「日米通商交渉は合意内容がまだ見えていない。農産物の輸入拡大は既定路線のようだが、自動車以外の品目の関税引き上げも予想される。日本にとって不利な内容であれば、円高方向の圧力が生じるだろう」という。ただ、ドル高抑制を目的とした為替条項を導入する動きはなさそうだ、と同氏はみている。
8月25日の原則合意の時点で、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は農業、工業、デジタル分野がカバーされると明らかにした。日本側が撤廃を求めていた日本車への関税は維持された。
茂木敏充外相は「交渉の最終的な段階でも、日本の自動車への追加関税を行わないということはきちんと確認しておくと考えている」と繰り返し述べている。
経済指標では23日にユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)、26日に米4―6月期のGDP確報、27日に8月分の米PCEコア・デフレーター、耐久財受注、個人支出・所得統計などがある。
(為替マーケットチーム)