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FRB、超過準備金利とレポ金利引き下げ 今後バランスシート拡大も
[ニューヨーク/ワシントン 18日 ロイター] - 米短期金融市場でフェデラル・ファンド(FF)金利の実効レートが今週、米連邦準備理事会(FRB)の誘導目標を超えたことを受け、FRBは18日、銀行の超過準備に適用する付利(IOER)を30ベーシスポイント(bp)引き下げ1.80%に設定した。
FRBは同時にFF金利の誘導目標を1.75─2.00%に25bp引き下げ。IOERと誘導目標上限との差は従来の15bpから20bpに拡大した。
またレポ金利も1.70%に設定。FF金利の誘導目標下限を5bp下回る水準となった。
今後は、バランスシート拡大も具体的に議論される可能性がある。
IOERとレポ金利はFRBの政策金利の防護柵として機能し、今回の調整はFRBによる政策金利の制御厳格化が目的という。
FRB傘下のニューヨーク連銀は18日、FF金利を誘導目標の範囲内に維持するため、レポ取引を通じて750億ドルの資金供給を実施。資金供給を受け、銀行や企業が資金調達する際に支払う翌日物レポ金利は低下していた。
FRBのパウエル議長は18日、銀行が日々の資金調達ニーズに十分対応できるよう、「当面」必要に応じてレポ取引を通じた資金供給オペを実施していく方針を示した。
FRBは、一部で予想されていた追加的な債券買い入れは決定しなかった。一部のアナリストは、銀行の準備預金不足が金利上昇の背景にある根本的な問題であり、この問題は債券買い入れ拡大によってのみ解決されると指摘している。
実際、連邦公開市場委員会(FOMC)声明には銀行準備預金の減少に対応するために債券ポートフォリオを利用することに関する言及はなかった。ただパウエル議長はFOMC後の記者会見で、FRBのバランスシート規模について、予想よりも早い時期に拡大に転じる可能性があることを示唆した。
パウエル議長は、根本的な問題かどうか見極めるため、銀行の準備預金水準を注視していくとし、会合と会合の間や次回会合でこの問題について再検討する方針を示した。
「われわれが考えているよりも早期にバランスシートの拡大再開が必要になる可能性は確かにある」と語った。
FRBのバランスシートは2015年と16年に過去最大の約4兆2500億ドルに達した。その後は景気改善に伴い縮小され、9月11日時点では約3兆7000億ドルとなっている。
それと同時に17年9月に2兆4000億ドルだった銀行の超過準備も約1兆4000億ドルに減少している。
※内容を追加しました。