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フランス、ユーロ圏の「成長協定」を提案
[ヘルシンキ 13日 ロイター] - フランスのルメール経済・財務相は13日、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が景気刺激のためドイツなどに財政政策の活用を求めたことについて、フランスはユーロ圏の「成長協定」を提案すると述べた。
13─14日開催の欧州連合(EU)財務相会合のためヘルシンキに到着したドイツのショルツ財務相は、ECBの呼びかけについてコメントを控えたが、フランスのルメール経財相は「成長協定」を提案すると表明。
「ユーロ圏の成長水準に満足してはならない」とし「財政に余裕がある国の投資拡大、生産性と競争力が不足している国の改革強化、公的支出・公的債務削減の必要性」という3つの柱からなる成長協定を提案する方針を示した。
ユーロ圏ではドイツとオランダが長年、財政黒字を計上しており、「財政に余裕がある国」とされている。
ルメール経財相は「今決めるべきだ。投資を増やし、成長を促進すべきだ」と述べた。
欧州委員会のドムブロフスキス副委員長は13日、EUの財務相が投資促進と成長回復に向けて財政支出を改善する方法を検討していると述べた。
13─14日の財務相会合では、EUの財政ルール見直しも議題になる。
オーストリアのミュラー財務相も「景気が低迷している。投資を増やし資本市場も強化することが狙いだ」と述べた。
ドイツのショルツ財務相は今週、ドイツが経済危機に見舞われた場合でも、経済に「数十億ユーロ」を注入することによって対処可能と強調し、独経済がリセッション(景気後退)に陥った場合に大規模な刺激策を講じる用意があることを示唆した。
計画に詳しい3人の関係筋がロイターに明かしたところによると、ドイツ政府は、連邦予算には含まれない新たな債務を引き受ける独立した公共団体の設立を検討している。厳格な財政ルールに抵触しない「影の予算」創設で、低迷する国内経済への投資を行う。
ドイツ政府の予算編成に詳しい2人の関係筋によると、金利が過去最低水準にあるおかげで、ドイツ政府の今年の債務返済コストが当初の想定よりも少なくなり、約50億ユーロが浮く可能性がある。