ニュース速報

英首相、離脱合意へ「慎重ながらも楽観的」 EU首脳と16日会談

2019年09月14日(土)02時48分

[ロンドン 13日 ロイター] - ジョンソン英首相は13日、欧州連合(EU)離脱を巡り、欧州と合意することに「慎重ながらも楽観的」と語った。

ジョンソン首相は週明け16日、ルクセンブルクで欧州委員会のユンケル委員長とEU側のバルニエ首席交渉官と会談する。

ジョンソン氏は「われわれは合意にこぎ着けようと賢明に取り組んでいる。合意に向けたたたき台は存在する」と述べた。

16日の会談では「英国側が検討している方策について協議する見通しで、どのような結果に至るか見守ろう。私は慎重ながらも楽観的だ」と述べた。

ホーガン次期貿易担当委員もこの日、アイルランドのRTEラジオとのインタビューで、膠着打開に向け「楽観的になれる要素が幾分」存在すると語った。

離脱協定案を巡っては、アイルランド国境問題の解決策「バックストップ(安全策)」が最大の争点となっている。

アイルランドのバラッカー首相はRTEラジオに対し「代替策を模索することに前向きと言ってきたが、現時点では必要とされる状況には程遠い」と語った。

バージン・メディア・ニュースに対しても、英EU間の「溝は極めて深い」とし、ジョンソン首相がEUとの合意に必要かつ、英議会の承認を得るために十分な妥協ができるかは不透明とした。

また、英政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)はこの日、バックストップに関し、EU離脱後に北アイルランドだけがEUの規則に従わなくてはならない事態を容認しない姿勢を示した。

英紙タイムズは12日、バックストップの代替案として、北アイルランドが離脱後もEUの一部規則に従う案をDUPが受け入れる方針だと報じた。[nL3N2634XM]

DUPは、EU法の順守は、北アイルランド議会がどの法律を順守するか選択できることが条件との立場。しかし、この条件は過去にアイルランドとEUが繰り返し拒否している。

DUPのブレグジット担当報道官サミー・ウィルソン氏はBBCラジオ・アルスターに対し「北アイルランドのみのバックストップは受け入れられない。別の名前のバックストップというのはありえない。われわれを英国から切り離す別個の協定は受け入れない」と発言。議会がEUの法律を精査し、北アイルランドのプラスになり、北アイルランドと英国との関係に害を与えないと判断することができなければ、別個の協定は認めないとした。

タイムズの報道を巡っては、DUPのフォスター党首も「英国は一つの国家として離脱を果たすべきだ。妥当な内容の協定を熱望しているが、英国の国内市場を分断する協定は望まない」とツイッターに投稿した。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地

ビジネス

米国株から資金流出、過去2週間は22年末以来最大=
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中