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ドル106円半ば、米中協議再開発表で半月ぶり高値
[東京 5日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル高/円安の106円半ば。きょう5日は国内実需勢のドル買いに加え、米中両国が10月にワシントンで通商協議を再開するとの報道や、これを受けた米長期金利の反発や株高を受け、ドルは半年ぶり高値となる106円後半まで上値を伸ばした。
午前には、米中両国が10月初旬にワシントンで通商協議を開催することで合意したという中国商務省の声明が伝わった。
これを受けて、中国株が1%超上昇するなどアジア株が全面高となり、米長期金利が1.52%台に反発する中、前日海外市場で強まった円安の流れが一段と加速。ドルは一時106.75円まで上昇し、8月15日以来の高値を更新した。豪ドルは72円後半と8月13日以来の高値をつけた。
市場では「円買いを仕掛けていた向きが、にわかに強まったリスクオンムードで撤退を余儀なくされている」(トレーダー)との声が出ていた。香港や英国、イタリアの政情不安後退も支えだという。
ただ、午後に入ってドル買いは一巡し、クロス円も反落に転じた。
「(米中が)お互いに制裁関税を発動した後だけに、協議で両国がどれほど歩み寄れるのか不透明だ」(外為アナリスト)との声も聞かれた。
中国国務院によると、中国は10月1日に北京市の天安門広場で建国70周年記念式典を開催し、習近平国家主席が重要講話を行う予定。市場では、米中通商協議の日程はこの式典の後になるように調整されたとの見方が複数聞かれた。
また、今月17―18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な追加利下げが実施されるとの思惑もあり、「利下げでドル安という連想から、107円台までのドルの上値追いには慎重にならざるを得ない」(国内金融機関)という。
こうした大幅利下げの思惑は、前日の米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言を受けて広がったという。
ウィリアムズ総裁は4日、米景気減速の回避に向け「適切に行動する」用意があると述べた。ただ、今のところ、米経済は良好な状態にあるとの認識を示した。また、「景気拡張を軌道上にとどめることを自身の最大の目標に据えている」と述べた。
ドル/円
午後3時現在 106.56/58 1.1025/29 117.51/55
午前9時現在 106.33/35 1.1032/36 117.65/69
NY午後5時 106.38/41 1.1033/36 117.39/43
(為替マーケットチーム)