ニュース速報

ドル106円半ば、米中協議再開発表で半月ぶり高値

2019年09月05日(木)15時33分

[東京 5日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル高/円安の106円半ば。きょう5日は国内実需勢のドル買いに加え、米中両国が10月にワシントンで通商協議を再開するとの報道や、これを受けた米長期金利の反発や株高を受け、ドルは半年ぶり高値となる106円後半まで上値を伸ばした。

午前には、米中両国が10月初旬にワシントンで通商協議を開催することで合意したという中国商務省の声明が伝わった。

これを受けて、中国株が1%超上昇するなどアジア株が全面高となり、米長期金利が1.52%台に反発する中、前日海外市場で強まった円安の流れが一段と加速。ドルは一時106.75円まで上昇し、8月15日以来の高値を更新した。豪ドルは72円後半と8月13日以来の高値をつけた。

市場では「円買いを仕掛けていた向きが、にわかに強まったリスクオンムードで撤退を余儀なくされている」(トレーダー)との声が出ていた。香港や英国、イタリアの政情不安後退も支えだという。

ただ、午後に入ってドル買いは一巡し、クロス円も反落に転じた。

「(米中が)お互いに制裁関税を発動した後だけに、協議で両国がどれほど歩み寄れるのか不透明だ」(外為アナリスト)との声も聞かれた。

中国国務院によると、中国は10月1日に北京市の天安門広場で建国70周年記念式典を開催し、習近平国家主席が重要講話を行う予定。市場では、米中通商協議の日程はこの式典の後になるように調整されたとの見方が複数聞かれた。

また、今月17―18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な追加利下げが実施されるとの思惑もあり、「利下げでドル安という連想から、107円台までのドルの上値追いには慎重にならざるを得ない」(国内金融機関)という。

こうした大幅利下げの思惑は、前日の米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言を受けて広がったという。

ウィリアムズ総裁は4日、米景気減速の回避に向け「適切に行動する」用意があると述べた。ただ、今のところ、米経済は良好な状態にあるとの認識を示した。また、「景気拡張を軌道上にとどめることを自身の最大の目標に据えている」と述べた。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 106.56/58 1.1025/29 117.51/55

午前9時現在 106.33/35 1.1032/36 117.65/69

NY午後5時 106.38/41 1.1033/36 117.39/43

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中