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トランプ米大統領、中国との通商交渉再開を表明 合意に期待

2019年08月27日(火)08時23分

[ビアリッツ(フランス)/北京 26日 ロイター] - トランプ米大統領は26日、中国から通商交渉再開に向けた申し入れがあったことを明らかにした上で、通商協議を再開する方針を表明、合意の実現に期待感を示した。

トランプ大統領は主要7カ国(G7)首脳会議の合間に「中国側が昨夜、米国のトップレベルの通商担当者に『交渉を再開しよう』と連絡してきたため、協議を再開することにした。中国は何とかしたいようだ」とした上で、「合意にたどり着くと考える」と述べた。[nL3N25M1W7]

また、サミット閉幕に当たりマクロン仏大統領と開いた共同記者会見では、中国の経済や雇用への打撃が強まっている状況を踏まえれば、合意を望む同国の姿勢は誠実だと思うと述べた。

中国の劉鶴副首相はこの日、中国・重慶で行った講演で「われわれは冷静な態度で協議と協力を通じて問題を解決する方針だ。貿易戦争の激化には断固として反対する」とし、「貿易戦争は中国のためにも、米国のためにも、世界の人々のためにもならない」と述べた。[nL3N25M0ZC]

トランプ大統領は劉副首相の発言を歓迎し、中国側から協議再開の申し入れがあったとの主張を繰り返した。ただ、中国側はこの主張の真偽を確認していない。

トランプ氏は会見で「中国はひどく合意を求めていると思う。その姿勢は昨夜強まったようだ。副首相が合意を望むと言ったのだ」とし、「中国は(合意を)先延ばしにすればするほど、元通りの状態にすることが難しくなる。彼らには選択肢はない」との見方を示した。

マクロン大統領は、米中が合意すれば世界市場の重しとなっている不透明感の解消に寄与すると述べ、トランプ氏が合意を望む立場をG7首脳に伝えたことを明らかにした。

金融市場はこうした前向きなトーンを好感し、米株式市場では主要3指数がそろって1%超上昇して終了。外為市場ではドルが買われ、ドル指数<.DXY>は約0.4%高となった。[nL3N25M41K]

中国国内市場で11年ぶりの安値を更新し、オフショア市場で過去最安値を付けていた人民元は下げ幅を縮小。オフショア人民元は直近で0.5%安の1ドル=7.1684元となっている。

トランプ大統領は、中国との合意に対してここ最近で最も楽観的だと述べた。

貿易問題を巡る自身の矛盾する発言が金融市場の不透明感を増幅させたかとの質問に対しては、「悪いが、これが私の交渉方法だ。私にとっては長年うまく機能してきたし、国にとってはさらにうまくいっている」と一蹴した。

トランプ氏はわずか数日前に中国の習近平国家主席を敵と呼んでいたが、この日は「偉大な指導者」、「すばらしい人物」などと賞賛した。

一方、中国外務省の報道官は、米中が電話協議を行ったという情報は聞いていないとした。中国商務省も何ら声明を発表していない。

電話協議が行われたのかどうか巡る記者団からの質問に対し、トランプ大統領は劉副首相の発言を強調するにとどめた。ムニューシン米財務長官は、両国が連絡を取っているとしつつも、誰が実際に連絡を取っているのかについては言及しなかった。

中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙「環球時報」の編集長はツイッターへの投稿で「私の知る限り、米中の交渉団トップによる電話協議はここ数日行われていない。テクニカルなレベルでの連絡は続いているが、トランプ大統領が示唆するような大きな意味を持つものではない。中国のスタンスは変わっていない。中国が米国の圧力に屈することはない」と述べた。

中国外務省報道官は同日、米国が新たな関税を発動すれば、中国は自国の利益を守るためさらなる措置を講じると表明した。[nL3N25M20L]

対中関税発動の延期は可能かとの質問に対して、トランプ大統領は「あらゆることが可能だ。われわれはかつてないほど有意義な協議を行っている」と応じた。[nL3N25M2IL]

米企業に中国からの事業撤退を求めたことに関しては、中国と通商合意に至れば米企業は同国に残るべきだが、合意しなければ撤退すべきだとの考えを示した。

米中の貿易摩擦を巡っては、マクロン大統領のほか、トランプ大統領と会談したドイツのメルケル首相も共同記者会見で、米中の合意が誰もにとって利益になるとの認識を示した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
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