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中国MLF金利、26日は据え置き 9月中旬までに低下へ
[上海 23日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は来週、MLF(中期貸出ファシリティー)金利を現行水準で維持するとみられている。だが、中国政府は、景気支援に向け借り入れコストの押し下げに取り組んでおり、米連邦準備理事会(FRB)の金利決定後、9月中旬までに引き下げると予想されている。
各国中銀は、経済下押し圧力の高まりに対応し、数カ月前から緩和的な政策スタンスにシフトしている。トレーダーやアナリストは、米との貿易戦争激化に伴い、中国は景気刺激措置を継続的に実施するとみている。
中国人民銀行は最優遇貸出金利(プライムレート)に相当するLPRの運用を刷新。MLF金利に連動するようにし、8月20日に新LPRを初公表した。新LPRは、原則として毎月20日に公表される。[nL4N25G0J1]
アナリストは、MLF金利の低下は、新LPR低下のシグナルと指摘。ただ大量のMLF償還がある26日にMLF金利は低下することはないとみている。
8月20日に公表された新LPRは、それまでより6ベーシスポイント(bp)低く設定された。
野村(香港)のエコノミスト、ルー・ティング氏は、1年物MLF金利が9月20日までに約10ベーシスポイント(bp)下がるとの見方を踏まえ、LPRも約10bp低下すると予想している。
26日は、1490億元(210億1000万ドル)相当の1年物MLFが償還を迎えるが、市場では、MLF金利は据え置きとの予想が大勢。
「直近に発表されたLPRがすでに下がっている。人民銀行は8月の経済指標や、米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げに踏み切るか、見極めてから金利を下げるだろう」(トレーダー)との声が聞かれる。
人民銀行の易綱総裁は、金利引き下げは経済情勢を踏まえて判断するとしているが、過去2年の間、人民銀行は何度かFRBの政策決定後に市場金利を調整している。
トレーダーによると、金利スワップ
景気が減速しているが、人民銀行は債務膨張や不動産バブルを懸念し基準金利の引き下げには踏み切っていない。
BNPパリバ(北京)の外為・市場戦略責任者、ジ・ティアンヘ氏は、人民銀行がMLF金利を下げて新LPRの低下を誘導するか、両金利間のスプレッドを縮める可能性があると述べた。
現在、1年物のMLF金利
次の新LPR公表までに予定されるMLFの償還は、9月9日(1765億元)と17日(2650億元)となっている。