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米リセッション懸念ない、中国との通商協議推進=政権高官ら
[ワシントン 18日 ロイター] - 米ホワイトハウスの当局者らは18日、世界の債券市場で先週、ボラティリティーが高まったものの、米経済がリセッション(景気後退)に陥るリスクはほとんどないとの見解を示した。中国との貿易戦争についても米国に打撃を与えていないと指摘した。
カドロー国家経済会議(NEC)委員長は、米中両国の担当次官が10日以内に協議を行い、「この次官級協議がうまくいけば、中国側が米国を訪問し」、世界経済への潜在的リスクとなっている貿易戦争の解決に向けた交渉をさらに進める計画だと明らかにした。
その上で、現在協議は中断しており、さらなる関税や他の貿易規制が導入されるリスクが世界経済に影を落としているものの、米国は依然として「かなり良好な状態」にあると指摘。「リセッションは視野に入っていない。消費者は働いており、彼らの賃金は上昇している。消費者は支出し、貯蓄している」と、FOXニュース・サンデーに語った。
先週の金融市場は米経済のリセッション懸念から不安定な展開となり、米債券市場では一時、2年債利回りが10年債利回りを上回る逆イールド現象が起きた。
しかし、ホワイトハウスのナバロ大統領補佐官(通商製造政策局長)はABCのインタビューで、先週の市場のボラティリティーが何らか警告サインだとする見方を否定。「良好」な経済状況が米国に投資家の資金を呼び込んでいるとの認識を示した。
「米国は世界最強の経済だ。われわれの株式市場に資金が流入している。利回りを求めて債券市場にも流入している」と語った。
債券市場の動きについては、米中貿易戦争が予想よりも長期化して企業の投資や成長を阻害しつつある可能性などが要因と考えられるとした上で、中国製品に対する関税は「米国の誰にも打撃を与えていない」と指摘した。
米経済は実際、毎月拡大し続けており、雇用も増加している。先週発表された7月の米小売売上高は0.7%増と予想を上回る伸びとなった。カドロー委員長はこの伸びに関して、米経済を支える柱は影響を受けていないとの見解を示した。
トランプ大統領やそのアドバイザーらは米経済の強さをアピールしながらも、連邦準備理事会(FRB)が政権の経済政策を阻害していると繰り返し批判している。カドロー委員長は18日、2017年と18年の利上げは「非常に厳しい金融引き締め」だったと述べ、批判の矛先を再びFRBに向けた。
一方、来年の大統領選の民主党候補らは同日、政権の通商政策が先行き不透明感を高め、企業の投資抑制や市場のボラティリティーにつながっているという多くの経済アナリストの見方に同調。
ベト・オルーク元下院議員は、NBCの「ミート・ザ・プレス」で、「大統領は世界経済と米経済をリセッションに追いやろうとしているのではないかと懸念している」と述べた。
インディアナ州サウスベンド市のピート・ブティジェッジ市長はCNNの「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で、政権が中国と合意できていないことを批判。「米国の農業従事者や消費者に結果をもたらすような方法で貿易戦争に対処する戦略がないのは明確だ」と指摘した。