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中国が金利改革公表、企業の資金調達コスト引き下げへ

2019年08月19日(月)08時15分

[北京 17日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は17日、企業の借入コスト低下と減速している景気を後押しすることにつながる金利改革を公表した。

人民銀は、今月からローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)の算出メカニズムを改善すると発表。市場改革の一環として企業の実質金利をさらに低下させるものとなる。

国営テレビが16日、中国国務院(内閣に相当)の方針を伝えていた。

アナリストは今回の改革について、減速する経済の支援に向けて改革を利用する政府の方針を明確にしていると指摘した。

人民銀はウェブサイトに掲載した声明文で「LPRの形成メカニズムを改革・改善することによって、われわれは実質貸出金利の低下を後押しするため、市場に基づいた改革メソッドを利用することができるようになる」と指摘。「市場に基づく金利改革を深化させ、金利波及の効率を改善し、実体経済の資金調達コストを低下させる」とした。

人民銀によると、銀行の新たなLPR算出は公開市場操作金利を基にし、全国銀行間資金調達センターが8月20日から公表する。このレートは毎月20日に公表されるという。

銀行はLPRを主に参照して新たな融資金利を設定するほか、LPRを変動貸出金利を設定するベンチマークとして利用しなければならない。また、銀行は協調して貸出金利に暗黙の下限を設定してはならない。

人民銀は、現在ある1年物LPRに、5年およびそれ以上の期間のLPRを追加し、銀行が住宅ローンといった長期融資金利を設定するのを支援するとした。

人民銀によると、現在LPR算出のための金利提示を認められている全国区の10行に、外資が入った2行を含む小規模銀行8行を加える。

人民銀は銀行の金利提示に対する監視を強化し、市場の秩序を乱す不正行為に携わった銀行を処罰するとした。また、銀行にLPR利用を促すため、LPRの活用をマクロプルーデンス評価(MPA)に取り入れる。

交通銀行のエコノミスト、唐建偉氏は今回の改革について、人民銀がLPR算出の基となる公開市場操作金利を誘導できるため、誘導された利下げとみなすことができると指摘した。

中泰証券のアナリスト、戴志峰氏は「このツール(LPR改革)は誘導された利下げに等しい」との見方を示した。

人民銀はこれまで、ここ数年で発展した市場に基づく金利と、ベンチマークとなる銀行預金・貸出基準金利という「二重金利」制度を徐々に統合すると約束している。

アナリストらは、新たなLPR金利が現行水準よりも低くなりそうだとしているが、企業の借入コストの低下余地を巡っては意見が割れている。

融資向け資金を拡大し、地方政府プロジェクトを巡る資金調達に便宜を図るため、人民銀が数カ月以内に預金準備率をさらに引き下げると大半のアナリストが予想している。

人民銀は2013年、銀行が最優良顧客に適用している金利を反映させるためLPRを導入。しかし、LPRは市場の需給にほとんど反応しておらず、現在の1年物は4.31%。ベンチマークとなる1年物貸出金利は4.35%となっている。

中国の短期金融市場金利はここ数カ月、人民銀のキャッシュ供給を背景に一段と急速に低下している。

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