ニュース速報

米国株は大幅高、ドイツ財政出動巡る報道で資金回帰

2019年08月17日(土)07時59分

[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米国株式市場は大幅高で取引を終えた。債券上昇の一服に加え、ドイツの財政出動を巡る報道が株式市場への資金回帰につながった。

主要3株価指数は上昇したが、週間では3週連続で下落した。米中貿易摩擦の激化や地政学的な緊張感、債券市場を発端とする景気減速懸念の高まりなどが市場を揺さぶった。

シュピーゲル誌は16日、ドイツの連立政権が、景気後退に陥った際に備え財政均衡ルールを撤廃し、新たな借り入れを行う用意を整えると報道。ドイツ経済が景気後退を回避するとの期待が広がり、世界的な景気減速懸念が後退した。

レノックス・ウエルス・アドバイザーズのデービッド・カーター最高投資責任者(CIO)はシュピーゲル誌の報道について「素晴らしいニュース」としながらも、「最終的には不確実性を生み出し、市場を軟化させる可能性がある」と指摘。「世界の不確実性は大きく増大しており、終わる兆しが見えない」と述べた。

報道を受け、米10年債利回りは3年ぶりの低水準から上昇。金利動向に敏感な銀行株<.SPXBK>が2.6%高となった。

S&P11業種全てが上昇。工業<.SPLRCI>、情報技術<.SPLRCT>、金融<.SPSY>が最も上昇した。

個別銘柄では米エヌビディアが7.3%高。15日発表した第2・四半期(7月28日まで)決算は売上高と利益が市場予想を上回った。ゲーム向けおよび自動車向け半導体事業が予想よりも好調だった。

フィラデルフィア半導体指数<.SOX>は2.8%高。

米農業機械メーカーのディアは3.8%高。四半期利益は予想に届かなかったものの、コスト管理を見直す方針が好感された。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は9.7%高。15日の通常取引で株価が急落する中、ラリー・カルプ最高経営責任者(CEO)が200万ドル近くに相当する株式を取得したことが、米証券取引委員会(SEC)への提出文書で明らかになった。

第2・四半期決算の発表は終盤に差し掛かっている。リフィニティブによると、S&P500構成銘柄のうち459社が決算を発表し、73%がコンセンサス予想を上回った。S&P500構成銘柄の第2・四半期の増益率は前年比で2.9%と見込まれている。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.36対1の比率で上回った。ナスダックは3.69対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は66億1000万株。直近20営業日の平均は75億4000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 25886.01 +306.62 +1.20 25678.1 25929.6 25678. <.DJI>

7 5 17

前営業日終値 25579.39

ナスダック総合 7895.99 +129.38 +1.67 7828.35 7907.52 7828.3 <.IXIC>

5

前営業日終値 7766.62

S&P総合500種 2888.68 +41.08 +1.44 2864.74 2893.63 2864.7 <.SPX>

4

前営業日終値 2847.60

ダウ輸送株20種 9967.32 +202.83 +2.08 <.DJT>

ダウ公共株15種 831.22 +2.56 +0.31 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1479.25 +39.96 +2.78 <.SOX>

VIX指数 18.47 -2.71 -12.80 <.VIX>

S&P一般消費財 915.32 +9.90 +1.09 <.SPLRCD>

S&P素材 354.34 +6.12 +1.76 <.SPLRCM>

S&P工業 624.22 +11.61 +1.90 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 618.62 +6.88 +1.12 <.SPLRCS>

S&P金融 440.19 +8.03 +1.86 <.SPSY>

S&P不動産 238.85 +1.49 +0.63 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 419.03 +4.91 +1.19 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1045.86 +12.34 +1.19 <.SPXHC>

S&P通信サービス 164.35 +1.91 +1.18 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1370.62 +25.28 +1.88 <.SPLRCT>

S&P公益事業 309.93 +1.10 +0.35 <.SPLRCU>

NYSE出来高 9.02億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 20570 + 180 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物9月限 円建て 20565 + 175 大阪比 <0#NIY:>

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

スイス中銀、第1四半期の利益が過去最高 フラン安や

ビジネス

仏エルメス、第1四半期は17%増収 中国好調

ワールド

ロシア凍結資産の利息でウクライナ支援、米提案をG7

ビジネス

北京モーターショー開幕、NEV一色 国内設計のAD
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中