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FRB副議長とNY連銀総裁、景気支援に向けた迅速な行動支持
[ニューヨーク 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長と米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は18日、米経済を支援するため迅速に行動すべきだとの認識を示した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で共に投票権を持つ2人がこうした見解を示したことで、30─31日のFOMCで当局者がより積極的な利下げに動くとの観測が高まった。
米経済が景気後退(リセッション)入りするという明らかな兆候がみられないなか、米中貿易戦争による企業の業況感悪化や世界的な製造業部門の低迷、インフレ率がFRB目標の2%を下回っていることが、早急かつ積極的に措置を講じる根拠になり得るか、政策当局者の間で議論が高まっている。
中銀会合で講演したウィリアムズ総裁は、自身のリサーチから得た教訓として、金利とインフレが低水準にある場合、経済的な問題が現実化するのを待つ余裕はないと指摘。
特に、中立金利が0.5%前後にある場合、それが当てはまるとした。インフレ調整後の中立金利は現在の政策金利である2.25─2.50%近辺にある。 (Full Story)
また、クラリダ副議長は、増大するリスクへの保険として、国内景気刺激へ早期に動く必要がある可能性に言及。FOXビジネス・ネットワークのインタビューで「事態が相当悪化して劇的な形で利下げに踏み切らざるを得ない時点まで待つ必要はない」と述べた。
国内景気は良好だが、不透明感が増したと指摘。指標はまちまちだが、インフレ指標が軟調で世界の指標は失望を誘う内容との見方も示した。 (Full Story)
両者の発言を受けて、市場は即座に反応した。CMEグループのデータによると、金利先物市場が織り込む月末の0.5%ポイントの利下げ確率は一時約63%と、前日の34%から上昇した。米株価は上昇し、短期債利回りは低下した。
このところFRB当局者は、過去最長の景気拡大局面を終了させる可能性のある要因への懸念を強めている。FRBが物価の目安とするインフレ指標の前年比伸び率が1.6%近辺で推移するなか、ウィリアムズ総裁は特に物価動向への懸念を示した。
「現在の状態が続くとの見方が広がり始め、フィードバックループが生じ、インフレ率は長期的に一段と低下する可能性がある」と指摘。インフレ率の平均が低ければ低いほど、低迷時に利下げできる余地が縮小し、当局者の目標達成は一段と困難になる」と指摘。逆境の景気情勢に直面する中で素早く利下げに動き、金利をより長期間にわたり低水準に維持すれば「経済には予防接種の効果をもたらし、超低インフレという潜行性の病から身を守ることができる」と述べた。
*内容を追加しました。