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米下院、商務・司法長官を議会侮辱罪に問う決議可決 国勢調査巡り

2019年07月18日(木)10時33分

[ワシントン 17日 ロイター] - 米下院は17日、2020年の米国勢調査に市民権の有無を問う質問を追加する政府の従来計画について、資料提出を求める議会の召喚状にバー司法長官とロス商務長官が従わなかったとして、2人を議会侮辱罪に問う決議案を可決した。

賛成は230票、反対は198票だった。下院の監視・政府改革委員会はトランプ政権がマイノリティー(少数人種)を差別する形で市民権に関する質問を国勢調査に追加しようとしたかどうかを調査している。

採決では民主党議員のうち4人が反対票を投じた一方、共和党から造反して賛成に回る議員は出なかった。

侮辱罪を巡り法廷闘争に持ち込まれる場合でも、バー氏が長官を務める司法省の関与が予想されるため、決議は象徴的な意味合いが強い。

採決に先立ち、両長官はペロシ下院議長に採決の延期を求めていた。

市民権の質問を国勢調査に追加する政府の従来計画を巡っては、米連邦最高裁が前月、無効との判断を下していた。トランプ大統領は質問追加のために大統領令を発令することを検討したが、その後、計画を取り下げた。

下院監視委のカミングス委員長(民主党)は「閣僚を刑事上の議会侮辱罪に問うことは深刻かつ重大な事態で、わたしはそれを避けるためになし得る限りのことをしてきた」と強調。

「ただ、司法長官とロス長官は、ロス長官が70年ぶりに2020年国勢調査に市民権に関する質問を追加しようとした真の理由を追及するわれわれの能力を露骨に妨害した」と述べた。

民主党が今年1月に下院で多数派となって以来、トランプ政権の高官が刑事上の議会侮辱罪に問われたのはこれが初めて。過去に現職の閣僚が議会侮辱罪に問われたのは1度だけで、オバマ政権時のエリック・ホルダー司法長官が銃の取り締まり作戦に関する資料提出を拒否したことから、2012年に侮辱罪に問われている。

ロイター
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