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トルコ、不良債権処理に向けた取り組みが頓挫=関係筋
[イスタンブール 17日 ロイター] - 複数の関係筋によると、トルコの不良債権処理に向けた取り組みは、銀行が当初案を拒否したり、棚上げにしたりていることから頓挫している。
トルコは多額の債務を抱える建設、不動産、エネルギー会社に融資している金融機関を支援する計画だが、この計画に過去3カ月ほとんど進展がみられていないことが、銀行関係者、企業幹部、アドバイザーら十数人への取材で分かった。
銀行と企業および政府間の協議に関与している銀行関係者は「すべてが行き詰っている」と指摘。「政府をはじめ誰もが次の行動を起こさず、様子見姿勢を取っており、来年を視野に入れ始めている」と語った。
関係筋によると、主な障害となっているのは、負債を抱える企業とその金融機関が債務再編に向けた大胆な措置を取る意欲を失っていることだという。経済が近く改善し、事業が上向くとの期待などが背景にあるほか、政府も具体的な方向性を示していないという。
トルコ政府は4月、エネルギーと不動産セクターの債務再編につながるファンドを立ち上げる計画を発表したが、これまでのところ具体策は示していない。[nL3N21S4GH]
トルコ財務省は17日、ロイターに宛てた声明で、金融機関は「ファンドのモデルについてまだ合意していない」とした上で、債務再編の取り組みは継続していると説明した。
銀行や企業の関係者は、年内に経済が成長軌道を回復するか、リセッション(景気後退)が長期化して危機が再発するリスクを招くかは、トルコがどれだけ迅速かつ確実に支援策を実施できるかどうかにかかっていると指摘している。