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米FRB、新たなレポ取引を2020年序盤に導入する可能性=ドイツ銀
[14日 ロイター] - ドイツ銀行のストラテジスト、スティーブン・ゼン氏は12日に公表した調査ノートで、米連邦準備理事会(FRB)は2020年序盤に、銀行が米国債などの証券を担保にFRBから借り入れを行うことを可能にする政策手段を導入する可能性があると指摘した。
そうした常設の固定金利レポ取引プログラムは、月末や四半期末に起こる頻度が増している短期金融市場での急激な金利上昇による影響を回避するためのバックストップとして機能する。
ゼン氏は「FRBがこの政策手段を年内に試験的に実施し、2020年序盤に本格的に導入するとの予想を維持する」とした。
10日に公表された6月18─19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、FRBはこの政策手段について是非を議論した。当局者の間で、レポの詳細についてコンセンサスは得られていない。
ゼン氏以外のウォール街のアナリストは、FRBがこれまで想定していたよりも早期にバランスシートの正常化を停止し、債券買い入れを再開する可能性があるなか、近くレポ取引プログラムを開始すると見込めるのかと疑問を投げ掛けている。
シティ・リサーチの金利ストラテジスト、スティーブ・カン氏は調査ノートで「われわれの基本シナリオは引き続き、この政策手段がゆくゆくは実施されるというものだが、導入は従来の想定よりも後ずれし、2020年第3・四半期前後になる可能性があると考える。細部についてFOMC参加者の意見にばらつきがあるからだ」とした。
それでもなお、ドイツ銀のゼン氏はFRBと金融市場はともに、レポ取引のメリットを享受する立場にあると指摘。FRBにとっては、バランスシートの縮小に寄与するほか、大手銀行が準備預金を積み増すことを阻止し、中小規模の銀行の準備預金と均衡を取ることが可能になるという。
一方、レポ取引によって銀行は準備預金を積むか証券を保有するかどちらかを柔軟に選択する余地ができるため、結果として国債の取引高や流動性を高め、トレーダーや投資家がそのメリットを受けることになるとゼン氏は指摘した。