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中国、金融部門の外資規制撤廃を前倒し 製造業も開放推進=李首相
[大連(中国) 2日 ロイター] - 中国の李克強首相は2日、大連で開かれている世界経済フォーラムの夏季ダボス会議で、金融部門における外資の出資規制撤廃の予定を1年前倒しして2020年に実施すると表明した。また、自動車を含む製造業部門の開放も進める考えを示した。
より多くの業種で外資の出資規制緩和を進め、外資参入を制限する分野を定めた「ネガティブリスト」の対象セクターを一段と減らすと述べた。
財とサービスの輸入を積極的に促進する方針も示した。
中国はこれまで、外資への市場開放を拡大すると再三にわたり表明してきたが、外国企業からは進展の遅さが指摘されてきた。
李首相は「証券、先物、生命保険セクターで外資の出資規制を撤廃する目標を当初予定の2021年から前倒しして2020年までに達成する」と述べた。
この予定の前倒しは金融セクターの開放をやめないという中国の意志を世界に示すものだとし、来年には通信サービスや輸送セクターでも外資の出資規制を緩和する方針を示した。
中国政府は6月末、ネガティブリストの対象分野を従来の48から40に減らす緩和措置を発表。新リストは7月30日に発効する。
習近平国家主席とトランプ米大統領が前月の首脳会談で通商協議の再開で合意したことを受け、外資規制が緩和されることが見込まれていた。
ダボス会議で李首相はまた、保護主義の台頭に言及したが、特定の国を名指しすることはなかった。「世界経済の減速圧力に直面する中、人々は皆同じボートに乗っている。われわれは相違点を棚上げして対立する問題に対処しつつ、パートナーシップの精神を促進し、平等な話し合いを持ち、共通点を探るべきだ」と述べた。
世界経済については「現在、世界経済のリスクはやや拡大し、国際投資と貿易の伸びが鈍化し、保護主義が強まり、不安定で不確定な要因が増大している」と指摘。「われわれは積極的に対応する必要がある。一部諸国は利下げを含む措置を講じるか、あるいは量的緩和の明確なシグナルを送った」と語った。
その上で、中国は競争的な通貨切り下げを行わないとし、人民元相場を引き続き、妥当で均衡の取れた水準で基本的に安定させる方針を示した。
銀行の預金準備率や実質金利の引き下げを通じて中小企業の資金調達コスト低下を促す考えも示した。
中国は新たな下方圧力に直面していると述べる一方、穏健な金融政策を維持し、「洪水のような」刺激策は行わないと言明した。
*内容を追加しました。