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情報BOX:G20首脳宣言の主な内容

2019年06月29日(土)21時34分

[大阪 29日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)は29日、自由で無差別な貿易環境の実現に向けた首脳宣言を採択し、閉幕した。首脳宣言の要旨は以下の通り。

・世界経済は足元で安定化の兆しを示し、本年後半及び2020年に向けて緩やかに上向く見通し。

・成長は低位であり続けており、リスクは依然として下方に傾いている。貿易と地政を巡る緊張は増大してきた。

・これらのリスクに対処し続けるとともに、さらなる行動をとる用意がある。

・強固で持続性があり均衡のとれた包摂的な成長を実現するため、下方リスクから守るために全ての政策手段を用いるとのコミットメントを再確認する。

・必要に応じて財政バッファーを再構築し、財政政策は機動的に実施し、成長に配慮したものとすべきである。

・金融政策は引き続き、経済活動を支え、中央銀行のマンデートと整合的な形で物価の安定を確保する。

・グローバルインバランス(経常収支不均衡)は世界金融危機の後、新興国及び開発途上国において減少しており、次第に先進国に集中してきた。

・対外収支を評価するに当たっては、サービス貿易・所得収支を含む経常収支の全ての構成要素に着目する必要性に留意する。

・高齢化を含む人口動態の変化は全てのG20構成国に対して課題と機会をもたらし、こうした変化は財政・金融政策、金融セクター政策、労働市場政策及びその他の構造政策にわたる政策行動を必要とする。

・自由、公平、無差別で透明性があり予測可能な安定した貿易及び投資環境を実現し、市場を開放的に保つよう努力する。

・国際的な貿易及び投資は、成長、生産性、イノベーション、雇用創出及び開発の重要なけん引力である。

・WTO加盟国によって交渉されたルールに整合的な紛争解決制度の機能に関して、行動が必要であることに合意する。

・WTO協定と整合的な二国間及び地域の自由貿易協定の補完的役割を認識する。

・イノベーションは経済成長の重要な原動力であり,持続可能な開発目標への前進及び包摂性向上にも寄与し得る。

・デジタル化及び新興技術の適用の促進を通じ、包摂的で持続可能な、安全で、信頼できる革新的な社会の実現に向けて取り組む。

・データの潜在力を最大限活用するため、国際的な政策討議を促進することを目指す。

・インフラは経済の成長と繁栄の原動力である。共通の戦略的方向性と高い志として「質の高いインフラ投資に関するG20原則」を承認する。

・クォータを基礎とし、十分な資金基盤を有する国際通貨基金(IMF)を中心としたグローバル金融セーフティネットをさらに強化するとのコミットメントを再確認する。

・第15次クォータ一般見直しを遅くとも2019年の年次総会までに完了することに引き続きコミットしており、最優先事項として迅速に進めることIMFに求める。

・ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントは、持続可能で包摂的な経済成長に不可欠である。

・紛争の予防及び解決において女性を認識することにコミットする。

・エネルギーミックスにおけるあらゆるエネルギー源及び技術の役割、よりクリーンなエネルギーシステムを達成するために国によって異なる道筋が存在することを認識する。

・広範囲のエネルギー関連問題における国際協力の重要性を認識する。

・2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す。

ロイター
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