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NY市場サマリー(26日)

2019年06月27日(木)07時11分

[26日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨に対し安定的に推移した。米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言から、FRBが来月の会合でそれほど積極的な利下げは行わないとの観測が出ていることが背景。

この日は朝方、ムニューシン米財務長官がCNBCに対し、米中通商交渉は「90%程度」完了していたとの見解を表明。これを受けドルとユーロが対円で上昇した。ただ、今週の20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)を控え市場で警戒感が出ていることに加え、米国とイランとの間の緊張も解消されていないことから、安全通貨と見なされる円とスイスフランの下落は限定された。

トランプ米大統領は中国との通商問題について、今週予定する中国の習近平国家主席との会談で通商合意を得ることは「可能」と言明すると同時に、物別れに終われば中国製品に追加関税を発動する考えを表明。G20首脳会議に合わせて開かれる米中首脳会談で少なくとも通商協議再開の糸口はつかめるか注目が集まっている。

クレディ・アグリコル(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は「米中が協議を継続するとの期待は出ているが、現状の打開はないだろう」とし、「ドル相場に対する影響は中立的なものとなる」との見方を示した。

終盤の取引でドル/円は0.57%高の107.790円、ユーロ/円は0.58%高の122.585円。ドルは対ユーロでほぼ横ばいの1.1372ドルとなっている。

<債券> 米金融・債券市場では国債利回りが上昇。米中通商交渉は「90%程度」完了しているとムニューシン米財務長官が発言したことで進展への期待が高まり、国債を売る動きが広がった。

ムニューシン長官はCNBCとのインタビューで「(合意まで)90%程度の地点に到達していた。完遂への道はあると思う」と語った。またトランプ大統領も今週予定される中国の習近平国家主席との会談で通商合意を得ることは「可能」と言明。同時に、物別れに終われば中国製品に追加関税を発動する考えも示した。

セントルイス地区連銀のブラード総裁が前日、7月の0.5%利下げは正当化されないと発言して以降、利回りは上昇傾向にある。CMEグループのFEDウオッチによると、金利先物が織り込む7月の0.5%利下げの確率は足元26%。総裁発言前は38%あった。一方、最低0.25%の利下げはほぼ確実とみられている。

ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の米国金利戦略部部長、スバドラ・ラジャパ氏は「前日の連邦準備理事会(FRB)当局者発言で7月利下げの可能性が裏付けられた」と述べた。

経済指標では、5月の耐久財受注統計で民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比0.4%増と、市場予想の0.1%増を上回った。一方、全体の耐久財受注は1.3%落ち込んだ。統計を受け国債相場は下げ渋る場面も見られた。

<株式> 米国株式市場はまちまち。ヘルスケア株が売られ、ハイテク株の上げを打ち消した。また、米中貿易協議の見通しを巡るさまざまな発言も材料視された。

テクノロジー株の上昇でナスダック総合は反発、ダウ平均は続落した。

この日の相場は方向感の定まらない展開となった。市場では、20カ国・地域(G20)首脳会談(サミット)に合わせて週末に日本で開催される米中首脳会議で貿易摩擦が解消に向かうかどうかが注目されている。

ムニューシン米財務長官はCNBCに、米中通商交渉が「90%程度」完了していたとの見解を示した。当初は「完了している」と報じられ、市場で好感されたが、その後「完了していた」と伝えられた。

また、トランプ米大統領は、予定される中国の習近平国家主席との会談で通商合意を得ることは「可能」と言明。同時に、物別れに終われば、中国製品に追加関税を発動する考えを示した。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ期待の後退やリスク回避姿勢の和らぎなどを受けて、5営業日ぶりに反落した。

パウエルFRB議長は25日の講演で、早期利下げに踏み切る用意があることを改めて強調。ただ、引き下げのタイミングには言及しなかった。セントルイス連銀のブラード総裁は同日、米メディアとのインタビューで、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利下げは必要ないとの考えを表明した。FRB高官が相次いで大幅利下げについて慎重な姿勢を示したことを受けて、金利を生まない資産である金塊に売り圧力がかかった。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米エネルギー情報局(EIA)の週報で原油在庫の大幅な減少が示されたことが好感され、急反発した。

EIAが発表した週間在庫統計では、原油在庫が前週比1280万バレル減と、市場予想(ロイター拡大版調査)の250万バレル減を大幅に上回る取り崩し幅となった。これを受けて、需給引き締まり観測が強まり、原油が買い進まれた。

ドル/円 NY終値 107.77/107.80

始値 107.67

高値 107.84

安値 107.60

ユーロ/ドル NY終値 1.1368/1.1371

始値 1.1365

高値 1.1390

安値 1.1349

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 106*09.00 2.5724%

前営業日終値 107*09.00 2.5260%

10年債(指標銘柄) 17時05分 102*28.50 2.0503%

前営業日終値 103*13.50 1.9920%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*30.25 1.7985%

前営業日終値 101*08.50 1.7310%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*22.63 1.7750%

前営業日終値 99*27.00 1.7060%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 26536.82 -11.40 -0.04 <.DJI>

前営業日終値 26548.22

ナスダック総合 7909.97 +25.25 +0.32 <.IXIC>

前営業日終値 7884.72

S&P総合500種 2913.78 -3.60 -0.12 <.SPX>

前営業日終値 2917.38

COMEX金 8月限 1415.4 ‐3.3 <0#GC:>

前営業日終値 1418.7

COMEX銀 7月限 1529.4 ‐0.6 <0#SI:>

前営業日終値 1530.0

北海ブレント 8月限 66.49 +1.44 <0#LCO:>

前営業日終値 65.05

米WTI先物 8月限 59.38 +1.55 <0#CL:>

前営業日終値 57.83

CRB商品指数 182.3645 +1.4867 <.TRCCRB>

前営業日終値 180.8778

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