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英金融機関、合意なき離脱に向けた準備再開=EY
[ロンドン 26日 ロイター] - コンサルティング会社EYによると、英国の金融機関の間で、ここ数カ月停滞していた合意なき欧州連合(EU)離脱に向けた準備作業を再開する動きが出始めている。
大手金融サービス会社222社が3─5月に公表した情報によると、計画されている人員の移転は7000人、資本の再配置は1兆ポンド(1兆2700億ドル)で、前四半期とほぼ同じだった。
離脱期限は3月末から10月末に延期されたが、10月末の離脱が合意なき離脱になる恐れがあるとの見方が金融機関の準備作業に影響を及ぼし始めているという。
EYの英金融サービス担当責任者、オマール・アリ氏は「過去数週間、一部の金融機関が対応を再開している。合意なき離脱に向けた準備作業は夏季に一気に増加するだろう」との見方を示した。
投資銀行はすでに1000人近くの人員を欧州に移したが、多くの金融機関は最終決断をぎりぎりまで先送りする意向という。
EYによると、英国の金融機関が公表した移転コスト、法的助言、緊急事態に備えた引当金は合計13億ポンド。これに加え、英国外の新本部設置に伴い26億ポンドの資本が注入されるという。
アリ氏は「コストの見積もりを出しているのは、これまでのところ最大手の上場企業のごく一部にすぎない。この数字は大海の一滴にすぎない可能性が高い」と指摘。「EU離脱の金銭的な影響が、業績に影響を及ぼし始めている」との見方を示した。
EYによると、移転先で最も人気が高いのは引き続きダブリンで、次がルクセンブルクという。