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ECB、伊中銀の金準備巡る与党の法案を事実上支持
[ローマ 25日 ロイター] - イタリアの与党「同盟」がイタリア中銀の保有する金準備について、中銀ではなく国の所有物であると明記する法案を提出したことについて、欧州中央銀行(ECB)は25日、事実上この法案を認める方針を示した。
法案は同盟幹部のクラウディオ・ボルギ氏が今年2月に提出したもので、野党からは、財政問題を解決するため金準備を売却することが目的だとの強い批判が出ていた。
ボルギ氏は野党の主張を否定。金準備の法的な所有者を明確にし、他の欧州連合(EU)加盟国と足並みをそろえることが目的だと反論している。
ECBはウェブサイトに掲載した公式見解で、EU条約では金準備について「所有権」という概念は使っておらず、「独占的な保有と管理」にしか言及していないと指摘。法制化を進める場合は、中銀の独立性を「完全に尊重」するため、中銀と協議するようイタリア政府に求めた。
ECBは、EU条約では金準備を中銀のバランスシートから国のバランスシートに移管することを禁じているとも指摘した。
ボルギ氏は、ECBの公式見解について「(我々の)勝利だ」と表明。ECBの要求に従っても、法案の中身には影響しないとの認識を示した。
イタリアの連立与党は、中銀の監督に問題があるため、近年、銀行の倒産が相次いでいると批判している。今月には、現在は主に中銀内部で指名している政策委員5人を政府と議会が指名する形に変更する法案を提出した。