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合意なきEU離脱、英国の統一性や経済的繁栄脅かす=英財務相
[ロンドン 19日 ロイター] - ハモンド英財務相は20日に予定される演説の原稿で、与党・保守党の党首選の候補者らに対し、欧州連合(EU)との合意がないまま離脱を強行すれば、国が分断され、緊縮策を終わらせるために必要な財政の余裕も失われることになると警告した。
保守党党首選では候補者が4人に絞られたが、全員が合意なき離脱も辞さない立場を示している。
ハモンド氏はEU離脱の是非を問う2016年の国民投票の前はEU残留派だった。
ロンドン市長公邸マンション・ハウスで開かれる晩さん会に向けた演説原稿の抜粋によると、ハモンド氏は、合意なき離脱の追求はリスクが高く、最大野党・労働党による政権奪取につながる可能性があると指摘。
「保守および統一党(保守党の正式名称)率いる政府が積極的に合意なき離脱を追求し、英国の統一性と経済繁栄を危険にさらすことに前向きだとは想像できない」と強調。「おまけに、コービン(労働党党首)の首相就任につながりかねない総選挙のリスクも受け入れるとは思えない」とした。
ただ、「新首相が議会の膠着を打開できないなら、他の民主的な打開方法を模索する必要が生じる」と述べ、2度目の国民投票や総選挙が唯一の手段となる可能性を示唆した。
ハモンド氏は、合意なき離脱の悪影響を緩和するための緊急利下げや予算措置は英経済に一時的な効果しか表れないと断じた。「民主主義か繁栄かの選択を迫られるような状況を招いてはならない」と訴えた。