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FOMC控えドル小動き、ユーロはドラギ発言で下落=NY市場

2019年06月19日(水)06時27分

[ニューヨーク 18日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が19日まで2日間の日程で開く連邦公開市場委員会(FOMC)を見据え、ドルが小動きで推移した。

今回のFOMCではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が2.25─2.50%に据え置かれる見方が大勢だが、5月に雇用の伸びが軟調だったことや、中国との貿易戦争が収束していないことなどを踏まえ、ハト派的な見解が示されるとみられている。

ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツの首席市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「明日のFOMC声明発表を控え、様子見姿勢が強まっている」と指摘。「声明はハト派的になると予想している」とし、「環境は悪化しているという認識が示される公算は大きい」と述べた。ただ「現時点では利下げは視野にない」と話した。

トランプ米大統領はこの日、中国の習近平国家主席と電話会談を行ったことを明らかにし、米中首脳会談を今月末に大阪で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせて実施すると述べた。首脳会談に先立ち両国は通商問題を巡る事前協議を開始する。こうした動きは金融市場で歓迎されたものの、利下げ観測の後退にはつながっていない。

CMEグループのフェドウオッチによると、今回のFOMCで0.25%ポイントの利下げが決定される確率は24.2%。7月のFOMCで利下げが決定される確率は64.7%となっている。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.08%高の97.640と、6月3日以来の高水準を付けた。

ユーロ/ドルは0.21%安の1.119ドルと、2週間ぶり安値を更新。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がECB年次会議で、物価の伸びが低迷し、目標を達成できない状況が続いた場合、ECBは利下げや資産買い入れなどの金融緩和を再度行うと述べたことがユーロの重しになった。

ケンブリッジ・グローバルのシャモッタ氏は、「ドラギ総裁は将来的に刺激策と金融緩和が実施される可能性があることをこれまでになく明確に示した」とし、「これがユーロがドルなどの主要通貨に対し下落する要因だ」と述べた。

ドル/円 NY終値 108.44/108.47

始値 108.29

高値 108.67

安値 108.07

ユーロ/ドル NY終値 1.1191/1.1195

始値 1.1202

高値 1.1212

安値 1.1182

ロイター
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