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カナダのインフレ目標達成、背景に柔軟な為替相場=シェンブリ中銀副総裁
[オタワ 17日 ロイター] - カナダ銀行(中銀)のローレンス・シェンブリ副総裁は17日、カナダのインフレ率が中銀の目標を達成した背景には柔軟な為替相場があったとの認識を示した。
カナダ中銀は米連邦準備理事会(FRB)と歩調を合わせ、5年ごとにインフレ目標を設定。過去23年間にわたりインフレ目標を2%に設定してきたが、今年4月のインフレ率は目標を上回るなど、おおむね達成されている。
シェンブリ副総裁はアルバータ州エドモントンで行った講演で「インフレ目標が大きく注目されるが、柔軟な為替相場も(金融政策の)枠組みの重要な要素で、金融政策の成功に必要不可欠」と述べた。
中銀のウィルキンス上級副総裁は昨年、中銀はインフレ目標の廃止などを排除しないと述べたが、シェンブリ副総裁は現在のシステムは機能していると指摘。「市場で決定される為替相場に加え、インフレ目標の設定が金融上の発展につながることがカナダの例で示されている」と述べた。
その上で、FRBのように物価に加え完全雇用も目標とすることも1つの選択肢になるとの考えを表明。同時に、商品(コモディティー)の主要輸出国であるカナダは、特に商品価格が大きく動いている時は、FRBから独立した金融政策が必要になるとの考えも示した。
この日の講演では金融政策については言及しなかった。カナダ中銀は18年10月以降は政策金利を1.75%に据え置いているが、アナリストの間では年内の金利変更はないとの見方が大勢となっている。