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イタリア財政規律違反、ユーロ圏は欧州委の方針支持=モスコビシ委員
[福岡市 9日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財務・税制担当)は9日、イタリアの財政規律違反に厳しく対処する欧州委の方針をユーロ圏の財務相は「強力に支持する」との見通しを示した。
「12月に合意した財政政策や赤字に関する目標を今年達成できることを明確に示すデータや数字、手段が必要だとわれわれはイタリア政府に指摘している。また2020年の財政政策が健全なものになるという真剣な確証も求めている」と述べた。
モスコビシ氏はイタリアのトリア経済相と会談したほか、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席したユーロ圏の財務相もトリア氏と個別に会談しEUの主張を伝えたと明らかにした。
その上で「トリア氏はこうした問題をよく分かっていると思う」と述べた。
「誰もがこの状況を懸念しており、誰もイタリアに対し是正手続きを取りたくはない。だが誰もが規則を順守する必要があると認識している」と語った。
ユーロ圏各政府が欧州委の方針を支持し、イタリア政府が改善策を講じない場合、EUは7月にイタリアに対する「過剰財政赤字是正手続き」と呼ぶ制裁措置に踏み切る見通し。実際に同手続きに入れば、イタリアは制裁金を科される可能性があるが、何カ月もの検討が必要なほか、政治的にも発動は難しいとみられる。
モスコビシ氏は、ユンケル委員長率いる欧州委は10月末に任期を迎えるが、イタリアへの是正手続きは現在の委員会が最後まで実施すると説明。「手続きを開始するなら今夏に始める必要があり、その後数カ月かけてフォローアップを実施する。私を含む現在の欧州委の任期内に全ユーロ圏加盟国の次期予算案を精査することになる」と述べた。
ユーロ圏加盟国は10月15日までに次年度の予算案を欧州委に提出する必要がある。
モスコビシ氏は「時間はわれわれの障害にはならないと明言する必要がある。欧州委がレームダック(死に体)化していると誰も考えるべきではなく、われわれは加盟国から全面的な信頼を得ており、今後の会合でそれが証明されると確信している」と強調した。
*内容を追加します。