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麻生財務相、G20各国に消費増税方針を説明
[福岡市 8日 ロイター] - 麻生太郎財務相は8日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会合で、日本が10月1日に消費税率を10%へと引き上げる方針を説明した。世界経済の先行きについては「様々な下方リスクを抱えながらも年後半から来年にかけ、堅調さを回復する」との認識を共有した。麻生財務相が福岡市で記者団に語った。
初日の討議では、低所得国の債務問題や途上国の社会保険制度をめぐる財政のあり方、世界経済の見通しやリスクなどを議論した。国際租税に関する分科会では、デジタル課税を巡って「少なくとも2020年までの合意に向け、政治的モメンタムが出来上がった」と、現地で記者団に述べた。
麻生財務相はまた、日本の消費税増税の方針に触れ、「税率引き上げ前後の需要変動を乗り越えるための対策は講じており、財政の健全化や日本経済の長期的な成長につながる取り組みとG20各国に説明した」と語った。
世界経済に関しては年後半の回復シナリオを堅持した。麻生財務相は「前回会合を開催した4月と現在を比べ、良いニュースと悪いニュースがある」と指摘し、「日米欧など主要国の1―3月期国内総生産(GDP)成長率は予想を上回り、金融政策も相まって世界経済の成長を支えている」との認識を示した。
一方、米中貿易摩擦の影響については「協議の帰結が不透明になり、市場の信頼を損なう可能性があるのが問題」との懸念を示した。日本政府の同行筋によると、大半の参加国から貿易摩擦に対する質問が出たが、米中貿易摩擦のさらなる激化を想定する声はなかった。G20は2日目となる9日の協議で、貿易不均衡などで議論を進め、貿易摩擦に対する各国の懸念をどのように共同声明に盛り込むかも調整する。
同日に予定される麻生財務相とムニューシン米財務長官との会談では、イランや北朝鮮問題、世界経済の見通しを取り上げ、為替条項に関する協議は見送られる見通し。
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(竹本能文 編集:山口貴也)