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イタリア「同盟」勝利、EU財政規律修正への負託=党首
[ミラノ/ローマ 27日 ロイター] - イタリアのサルビーニ副首相は27日、党首を務める与党「同盟」が欧州議会選で勝利したことについて、減税推進や欧州連合(EU)の財政規律修正に向け負託を受けたとの認識を示した。
サルビーニ氏は大幅な減税を主張しており、EUの財政規律に違反する可能性がある。
同国の欧州議会選で、同盟が得票率34.3%で首位。五つ星運動は得票率が同盟の約半分の17.1%で3位と振るわなかった。両党の得票率は、昨年の国政選挙時からほぼ逆転した。野党で親EUの民主党(PD)の得票率は22.7%で2位だった。
サルビーニ氏は、減税が国民にとって「主要課題」で、これを中核にした来年予算案を秋に示す方針を表明した。
記者会見で「欧州に悪影響を及ぼした古く、時代遅れの規則を巡って、全面的に再協議する時期が到来した。そうでなければ、今回のような投票(結果)は説明できない」と述べた。
また、EUの欧州委員会がイタリア政府に財政について警告する新たな書簡を送ったと明らかにした。
11月発足見通しの欧州委新体制が、自国に「より友好的」な姿勢を示すと確信しているとした。
サルビーニ氏はこれに先立ち、今後も五つ星運動との連立政権を維持していく方針を示した。
記者団に「私にとって、我々の連立相手は友人であり、明日から平穏にトーンを和らげて再び協力していく」と発言。「私の敵は左派(PD)だ」と述べた。
五つ星運動党首のディマイオ副首相は、内閣改造の可能性に否定的見解を示した。支持率低迷について、低投票率が影響したと分析。同盟とともに5年間の任期を全うする見通しを示した。
国内紙コリエレ・デラ・セラとのインタビューで述べた。同盟と減税や最低賃金について協議する用意があるとも述べた。
欧州議会選の選挙戦では同盟と五つ星運動の関係が悪化。税制や地方の自治権といった問題について見解に大きな隔たりがあることから、選挙後に連立政権が崩壊するとの観測も出ていた。
同盟の幹部は今回の選挙結果を受けて、サルビーニ氏の力が強まると予想した。
イタリア国債市場は、欧州議会選の結果には反応薄。ドイツ連邦債とのスプレッドは、前週末とほぼ変わらずの270ベーシスポイント(bp)付近。
*内容を追加しました。