ニュース速報

米、自動車関税の判断延期 メーカー「検討続行強く懸念」

2019年05月18日(土)06時15分

[ワシントン/ベルリン 17日 ロイター] - 米国は17日、輸入自動車や部品に対する関税の判断を最大6カ月延期すると正式発表した。交渉相手の日本や欧州連合(EU)に猶予を与える。

ドイツは米・EU間の貿易摩擦激化の回避が期待できると評価したが、メーカー各社は関税について、雇用への影響や価格急上昇につながるほか、自動運転車への投資を脅かすと警戒している。

トランプ大統領はライトハイザー通商代表部(USTR)代表に対し、交渉を加速させるとともに180日以内に報告するよう指示。交渉で合意できない場合、追加措置が必要かなどを判断するとした。

また一部の輸入車が米経済を弱め、国の安全保障を脅かしているとの商務省の見解に同意したとも明らかにした。

トランプ氏は「輸入を減らして国内の競争環境を改善する必要がある」とし、強い国内自動車産業は米国の軍時的優位性に極めて重要との認識を示した。

米政府は、日本とEUについて「保護された海外市場」と指摘。「米国からの輸入車にかなりの障壁を設け、米メーカーが著しく不利な立場に置かれている」とする。

ロス商務長官はトランプ氏に「米自動車メーカー各社が長期の経済的可能性を達成し、国防産業に必要不可欠な最先端技術の研究開発を拡大できるようにすれば交渉成功と言える」との考えを伝えた。

日本とEUが、自動車・部品の輸出抑制にどう対応するかは不透明だ。

ドイツのアルトマイヤー経済相は17日、トランプ氏の自動車関税判断の延期決定について、貿易摩擦再激化を今のところ回避できると希望が持てるという認識を示した。「米国が輸入自動車を国家安全保障上の脅威と認定したことは遺憾」とも指摘した。

トヨタ自動車<7203.T>や米ゼネラル・モーターズ、独フォルクスワーゲン(VW)などが加盟する米自動車工業会(AAM)は「政権が自動車関税の検討を続けることに(メーカー各社はなお)強く懸念している」と訴えた。

AAMによると、自動車メーカー各社は2017年以降、米国内の新設・既存施設に228億ドルを投じてきたとし、「自動車関税の引き上げはこうした経済的進展を打ち消しかねない。関税か投資かであって、両立はできない」とくぎを刺した。

トヨタはこの日、声明を発表し、輸入車が安全保障上の脅威だとトランプ大統領が判断したことを非難し、「われわれの投資が歓迎されていない」というメッセージを日本メーカーに送ることになると指摘した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

MAGAZINE

特集:米ジョージタウン大学 世界のエリートが学ぶ至高のリーダー論

2019-6・18号(6/11発売)

「全米最高の教授」サム・ポトリッキオが説く勝ち残るリーダーになるための処方箋

人気ランキング

  • 1

    未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

  • 2

    自撮りヌードでイランを挑発するキム・カーダシアン

  • 3

    「香港は本当にヤバいです」 逃亡犯条例の延期を女神は「予言」していた

  • 4

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 5

    アメリカは「いざとなれば瞬時にイランを破壊できる」

  • 6

    石油タンカーが攻撃されても、トランプが反撃しない…

  • 7

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 8

    ファーウェイ、一夜にして独自OS:グーグルは米政府…

  • 9

    タンカー攻撃、イラン犯行説にドイツも異議あり

  • 10

    【南シナ海】中国船による「当て逃げ」にフィリピン…

  • 1

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14歳少女に起こった一大事

  • 2

    ファーウェイ、一夜にして独自OS:グーグルは米政府に包囲網解除を要求か

  • 3

    サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

  • 4

    香港大規模デモ、問題の「引き渡し条例」とは何か?

  • 5

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 6

    未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

  • 7

    自殺に失敗し顔を失った少女の願い――「何が起きても…

  • 8

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 9

    日本の女性を息苦しさから救った米国人料理家、日本…

  • 10

    貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特…

  • 1

    サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

  • 2

    台湾のビキニ・ハイカー、山で凍死

  • 3

    マイナス40度でミニスカ女子大生の脚はこうなった

  • 4

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 5

    プラスチック製「人工子宮」でヒツジの赤ちゃんが正…

  • 6

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14…

  • 7

    貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特…

  • 8

    トランプ、エリザベス女王にまたマナー違反!

  • 9

    脳腫瘍と思って頭を開けたらサナダムシだった!

  • 10

    アメリカの衛星が捉えた金正恩「深刻な事態」の証拠…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
広告営業部員ほか求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!