ニュース速報

アングル:メガバンク決算、市場部門で明暗 三井住友が好調

2019年05月15日(水)23時55分

[東京 15日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など大手銀行グループが15日発表した2019年3月期決算は、市場部門の収益で明暗が分かれた。三菱UFJが大幅減益、みずほフィナンシャルグループが赤字に沈む一方、三井住友フィナンシャルグループは増益を確保した。20年3月期も市場環境は厳しく、運用の巧拙がグループ全体の収益を左右する事態も想定されそうだ。

<頭1つ抜き出た三井住友>

19年3月期の各銀行グループの市場部門の業務純益(三菱UFJは営業純益)は、三井住友が前年同期比2.1%増の2985億円となる一方、三菱UFJは同26.0%減の2512億円、みずほは136億円の損失(前年同期は1857億円の利益)となった。

市場部門の業務範囲が各グループで異なるため、一概に横並びの比較はできないものの、三井住友が競争を制した格好だ。

<みずほは含み損を処理、三菱UFJは米債買い増し>

みずほが損失に沈んだのは、膨らんだ外債の含み損を一挙に処理したためだ。このため、市場部門を中心に1947億円の損失を計上した。坂井辰史社長は「有価証券ポートフォーリオは再構築した」と強調した。

三菱UFJは米国債を中心とする外債のポートフォーリオを大幅に縮小。新たに取り組んだ機関投資家向けのセールス&トレーディング業務の不振も重なり、減益に落ち込んだ。中計では設けた市場部門の19年3月期の営業純益目標は3400億円だったが、大幅な未達となった。収益の柱だった米債のポートをピーク時の24兆円からいったん17兆円まで削減させたことが響いた。

<問われる20年3月期>

世界的な低金利環境の持続で、市場部門を取り巻く環境は厳しい。みずほは「これまでストレッチをかけた運営をしてきたが、今期は保守的に見込んでいる」(坂井社長)としており、市場部門の「安全運転」を心がける。

一方、三菱UFJは19年3月末の段階で米債のポートフォーリオを21兆円まで買い増した。苦戦している機関投資家向けのセールス&トレード業務にも手を打ち始めた。三毛兼承社長は「市場部門は昨年度は苦戦したが、今年度のポートは作った。セールス&トレードの体制は、不採算部分を見直して最適化する」と語り、中計で掲げている20年3月期の目標3600億円を維持するとした。

太田純・三井住友FG社長は、前年度の市場部門の運営について「なんとか計画をやりきった。上期の貯金を使い、下期の苦しい市場環境を乗り切った」と説明。今期については「株式と債券のポートを臨機応変にリバランスするオペレーションになる」とした。今年度の目標も昨年度並みを維持するという。

(布施太郎 編集:田巻一彦)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

ニュース速報

ワールド

英首相に早期辞任圧力、離脱協定案巡り与党内で強い反

MAGAZINE

特集:ニュースを読み解く 哲学超入門

2019-5・28号(5/21発売)

トランプ現象、移民、監視社会、SNS...... AIも解答不能な難問にあの思想家ならこう答える

人気ランキング

  • 1

    日本の正社員の給与の約半分は40~50代前半の社員に支払われている

  • 2

    アメリカの衛星が捉えた金正恩「深刻な事態」の証拠写真

  • 3

    日本人の英語が上手くならない理由 『日本人の英語』著者が斬る30年間の変遷

  • 4

    パリで過熱する日本ブーム 300万人が訪れた「ジャポ…

  • 5

    利他の心に立つ稲盛和夫が活用する京都の日本庭園「…

  • 6

    女性の体は、弱い精子をブロックする驚くほど洗練さ…

  • 7

    トランプ大統領の大相撲観戦に前代未聞の備え

  • 8

    京都を愛したデヴィッド・ボウイが涙した正伝寺の日…

  • 9

    ロシア爆撃機がアラスカに接近、米戦闘機がインター…

  • 10

    金正恩「安倍は軍国主義」、日本の会談呼びかけにカ…

  • 1

    29年前の「女子高校生コンクリート詰め殺人事件」の容疑者が再犯 少年法見直しの議論は海外にも 

  • 2

    「人肉は食べ飽きた」と自首した男と、とんでもない「仲間」たち

  • 3

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はいま......

  • 4

    アメリカがイランを攻撃できない理由──「イラク侵攻…

  • 5

    ジョンベネ殺害事件で、遂に真犯人が殺害を自供か?

  • 6

    女性の体は、弱い精子をブロックする驚くほど洗練さ…

  • 7

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 8

    元TBSアナ久保田智子:不良だった私が東大に入るまで

  • 9

    トランプの言うことは正しい

  • 10

    日本の正社員の給与の約半分は40~50代前半の社員に…

  • 1

    徴用工問題で日韓が近づく危険な限界点

  • 2

    「英王室はそれでも黒人プリンセスを認めない」

  • 3

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、被害続発する事情とは

  • 4

    29年前の「女子高校生コンクリート詰め殺人事件」の…

  • 5

    59歳の人気ランジェリーモデルは5年前まで普通のお母…

  • 6

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はい…

  • 7

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 8

    地下5キロメートルで「巨大な生物圏」が発見される

  • 9

    金正恩の「最愛の妹」身辺に異変か......「米朝決裂…

  • 10

    10%の食塩水1kg作るのに必要な塩と水は? 大学生が「%…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
広告営業部員ほか求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!