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米下院委、司法長官の責任追及承認 トランプ氏は大統領特権行使
[ワシントン 8日 ロイター] - 米議会下院の司法委員会は8日、ロシア疑惑捜査報告書の全文公開を拒否したバー司法長官に対し、議会軽視の責任を追及する決議案を採択した。ホワイトハウスはこれに先立ち、全文公開を阻止する大統領特権を行使すると発表した。
司法委は採決の結果、賛成24票、反対16票で承認した。民主党が賛成、共和党は反対した。
ホワイトハウスのサンダース報道官は「(民主党のナドラー委員長の)目に余る権力の乱用、そしてバー司法長官の要請に基づき、トランプ大統領は大統領特権を行使する以外に選択肢はない」と述べた。
ペロシ下院議長は米紙ワシントン・ポストとのインタビューで、トランプ大統領が議会の召喚状を無視する行動は、議会の行政府監視機能に対する妨害に当たるとの認識を示し、「大統領は毎日、自ら弾劾の根拠となる行動を取っている」と述べた。バー司法長官について、議会軽視の責任を追及すべきだとも指摘した。
ナドラー委員長は、ホワイトハウスの決定は「憲法で定められた議会の責務を軽視する行動を強めている」ことを明示したとし、「大統領特権の原理に反する」と批判した。
下院民主党幹部会のトップ、ジェフリーズ議員は、トランプ政権の特権行使について記者団に「笑止で現実的に一切根拠がない」と語った。
民主党は、トランプ政権が一部顧問らにモラー特別検察官チームの調べに応じることを容認した時点で、大統領特権を放棄したと指摘。司法省はこうした協力容認について、政権が現在特権を主張する権利を手放したことにはならないとの立場を示す。
下院司法委共和党トップのコリンズ議員はバー司法長官の議会軽視責任を追及する動きを批判、「皮肉、狭量で、非生産的、無責任な動き」と語った。
下院情報特別委員会のシフ委員長は8日、モラー特別検察官の捜査関連資料の提出を求めてバー司法長官に召喚状を出したことを明らかにした。司法省が委員会の要請に「沈黙とあからさまな無視」で対応したことを受けた措置とし、バー司法長官の資料提出期限を5月15日に設定した。
*内容を追加しました。