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米民主党、司法長官が「偽証」と批判 議会軽視追及の構え
[ワシントン 2日 ロイター] - 米議会民主党は2日、ロシア疑惑の捜査報告書を巡りバー司法長官への批判を強め、議会を軽視したとして追及も辞さない考えを示した。ペロシ下院議長はバー長官が議会で偽証したとし、犯罪に当たると主張した。
下院司法委員会のナドラー委員長は、バー氏が報告書全文の提出を求めた召喚状に応じないことから、議会軽視の責任を追及する可能性をちらつかせた。
司法省は前日、報告書全文と関連資料の提出を求める召喚状に従わない方針を明らかにしている。
ナドラー氏は記者団に「交渉や、報告への必要なアクセス確保に向けもう一度誠意を持って取り組む。実現しなければ、バー氏の(議会)軽視追及に向け手続きを進める」と述べた。
バー氏は、同日予定されていた下院司法委での証言を取りやめた。
またナドラー氏は、トランプ大統領が議会のチェック機能を阻害しようとしていると指摘。「政府制度そのもの、限定された権力システム、大統領の独裁を認めない仕組みがまさに危機にある」と訴えた。バー氏に対し罰金や禁錮刑につながる手続きを始める用意があるとした。
ペロシ下院議長も、議会で虚偽の発言をしたとしてバー氏を批判。司法長官や大統領といえども法の上の存在でないと指摘した。
ペロシ氏は記者団に対し、バー氏の議会証言は「犯罪だ」と述べた。
司法省のクペック報道官は、ペロシ氏の主張は「無分別で、無責任かつ事実でない」と反論した。
民主党は4月の議会証言で、バー氏が3月24日に公表した4ページの報告書概要を巡るモラー特別検察官のチームの懸念について認識していないと述べたことを問題視している。バー氏は、モラー氏から受け取った、概要に不満を示す3月27日付の書簡に言及しなかった。
来年の大統領選で民主党候補指名を狙うバイデン前副大統領は前日夜、バー氏の辞任を求めた。ワシントン・ポストが伝えた。
下院司法委はこの日予定していた証言で、議員のほか弁護士らが質問する時間も設けていた。
同委共和党トップのコリンズ議員は、ナドラー氏が公聴会の形式を巡り要求したため、バー氏が予定の証言に臨まなかったと指摘。「(先方は)弾劾手続きを取らないため、弾劾裁判のように見えるスタイルを望んだ」と語った。
ホワイトハウスは、トランプ大統領にはモラー氏の捜査結果について議会委員会で証言しないようアドバイザーらに指示する権利がある(法律顧問エメット・フラッド氏)とし、対抗姿勢を示した。
*内容を追加しました。