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中国の「一帯一路」、持続可能性強調 債務懸念の解消目指す
[北京 25日 ロイター] - 中国の劉昆財政相は25日、中国政府は「一帯一路」構想を持続可能なものにし、債務リスクを防ぐことを目指していると述べた。参加国の債務拡大や透明性の欠如といった懸念を和らげる狙いがあるとみられる。
この日から3日間の日程で開く一帯一路サミットの開幕に当たり、劉財政相はフォーラムで、中国は複数の経路を通じて一帯一路への融資を支援すると述べた。
同相は「債務リスクを防止・解決」するため、一帯一路プロジェクトの債務の持続可能性に関する分析フレームワークを確立すると表明。
中国の金融機関や一帯一路の参加国、国際機関はこのフレームワークを活用し、債務管理を向上させることができると語った。
中国人民銀行(中央銀行)の易綱・総裁は、主要なインフラプロジェクトに関連する投資には、為替リスクを抑制するため現地通貨が使われると述べた。
また、中国は市場原理に従い、一帯一路への融資には民間資金を充てるほか、プロジェクトの透明性も高めると強調した。
総裁は「われわれは債務とリスクの管理を強化すべきだ。発展途上国の債務問題を客観的かつ完全に理解する必要がある」と述べた。
その上で「投資を判断する際には、リスクを効果的にコントロールするとともに、その国の全体的な債務能力を考慮して、債務が持続可能であるようにすべき」と語った。
一帯一路を巡っては、米国をはじめとする西側諸国が、中国の影響力を諸外国に広げる手段にすぎず、参加国は不透明なプロジェクトによって持続不可能な債務を負わされると批判している。
ロイターが確認したサミットの共同声明草案では、前回2017年のサミットでまとまった持続可能な資金支援に関する合意をあらためて表明した上で、前回は盛り込まれなかった債務に関する一文が加えられており、そうした懸念に配慮したものとみられる。[nL3N22400R]
今回の国際会議には、ロシアのプーチン大統領、パキスタンのカーン首相のほか、主要7カ国(G7)で初めて一帯一路に署名したイタリアのコンテ首相らが出席。一帯一路に参加していない米国は、国際会議に高官級の派遣は予定していない。
*内容を追加しました。