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第1四半期韓国GDP、予想外のマイナス 金融危機以来の弱さ
[ソウル 25日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)が25日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、季節調整済みで前期比0.3%減と、予想に反して減少し、世界的な金融危機以来の弱さとなった。
2018年第4・四半期の1%増からマイナスに転じ、3.3%減を記録した2008年第4・四半期以来の落ち込みとなった。
ロイター調査の予想中央値は0.3%増で、減少を予想したエコノミストはいなかった。
統計を受けて金融市場では、中銀が緩和スタンスにシフトする公算が大きく、企業信頼感の悪化や対外リスクに対抗するため利下げに踏み切る可能性もあるとの見方が強まった。
韓国の主要株価指数<.KS11>は0.4%下落。ウォン
3年債先物(6月限)は0.15ポイント上昇して109.58となり、3年債利回りは政策金利の1.75%を再び割り込んだ。
<設備投資落ち込む、輸出も減少>
中銀は第1・四半期のGDPについて、メモリーチップ部門の低迷が予想以上となり設備投資が落ち込んだほか、米中貿易摩擦を背景とした輸出の減少が個人消費の増加分を相殺したと指摘。
中銀当局者は「特に建設投資に関し、財政支出による第4・四半期の伸びを維持することができなかった。また半導体部門の低迷によって民間設備投資が予想以上に減少した」と述べた。
当局者は、昨年第4・四半期の成長が良好だったことも、前期比GDPを押し下げた要因と付け加えた。
大信証券のアナリストは、今年第4・四半期としていた利下げ時期の予想を前倒しするかもしれないと話す。ただ「5月の次回会合では、政府の補正予算案の議会審議を見極めるため、利下げは見送られるだろう」としている。
第1・四半期の輸出は前期比2.6%減少し、第4・四半期(1.5%減)から落ち込みが加速した。
設備投資も10.8%急減し、21年ぶり低水準となった。建設投資は0.1%減だった。
個人消費は耐久財への需要に支えられて0.1%増加した。
第1・四半期のGDPは前年比では1.8%増。第4・四半期の3.1%増から伸びが鈍化し、予想の2.5%増を下回った。
*内容を追加しました。