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イタリア、景気対策を閣議承認 連立政権の対立に注目集まる
[ローマ 24日 ロイター] - イタリア内閣は24日未明、景気対策を承認した。ただ、連立政権内では、政府当局者の汚職疑惑を巡る対立が激化しており、市場では政権崩壊の観測が浮上している。
連立政権を構成する政党「五つ星運動」と「同盟」は前週末に衝突。運輸省の事務次官を務める同盟のアルマンド・シリ氏が汚職容疑で捜査対象となり、五つ星のトニネッリ運輸相がシリ氏の権限を取り上げたことに対して同盟が一方的な行為だとして怒りをあらわにした。シリ氏は不正行為を否定している。
閣議には、五つ星運動のディマイオ党首が1時間以上遅れて参加。閣議出席前にはテレビに出演し、同盟の事務次官に辞任を求めた。同盟のサルビーニ党首は、事務次官の解任を拒否している。
イタリアのラ・リパブリカ紙は「2つの政府がある」と一面で報道。閣議で承認された景気対策「成長令」は、陰に隠れた格好となった。
両党の党首はともに連立継続を望んでるが、シリ氏の処遇を巡っては歩み寄りの姿勢を見せていない。
景気対策には、優遇税制、投資優遇、公共入札の手続きの簡素化などが盛り込まれている。ほぼ予想通りの内容だった。
サルビーニ党首は24日、記者団に対し早期の選挙を実施する意向はないと表明。欧州議会選挙後に内閣改造を推し進めるつもりもないと述べた。
またコンテ首相はシリ氏の辞任を求めていないという。その後、コンテ氏はシリ氏から話を聞くとしたが、詳細は明かさなかった。
*内容を追加しました。