ニュース速報

ドル111円後半、米原油先物は依然半年ぶり高値圏

2019年04月24日(水)15時54分

[東京 24日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル安/円高の111円後半。午前には大型連休を控えた実需の売買がみられたほか、第1・四半期の豪消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことでドル高/豪ドル安が進み、ドル/円にも浮力がついた。しかし、112円台には乗せなかった。

午後には日経平均や中国株が下げ幅を拡大したことで、ドルは111.76円まで下落した。AI(人工知能)による取引で、株売り/円買いの取引も流入したという。

第1・四半期の豪CPIは前期比0.0%と予想のプラス0.2%に反して横ばいとなった。市場では豪中銀による利下げの思惑が広がり、豪ドルは0.7027米ドルまで下落した。

この日は「前日から英国のメイ首相への辞任圧力が取り沙汰されている英ポンドや、ユーロ、スイスフランなどの弱さが目立つ。欧州時間にかけてユーロやポンドなどで下値を探る動きが強まれば、クロス円で円高圧力がかかりやすい」(外為アナリスト)という。

ただ、ドルの下値は26日に発表される米国内総生産(GDP)統計で米経済が1―3月期に2%以上成長したことが確認されるとの期待感によって支えられている。

アトランタ連銀が19日に発表したGDPナウでは、第1・四半期のGDP伸び率は年率2.8%となっている。

午後3時の米原油先物は66ドル付近と、前日の66.60ドルからは反落したものの、半年ぶり高値圏での取引となっている。

原油高はカナダドルの押し上げ要因となっているが、豪ドルなど他の資源国通貨は目立った反応をみせていない。

最近の原油高のきっかけは、米国がイラン産原油禁輸の適用除外を来月はじめに打ち切ると発表したこと。足元では、石油輸出国機構(OPEC)加盟諸国が、米国の措置を受けて、増産する用意があるものの、すぐには対応しない姿勢を示していることも投機的な原油買いを煽っている。

グローバルな原油需給のタイト化については メジャーな産油国であるサウジアラビアが供給姿勢を強めれば、石油価格への上昇圧力を抑制するとみられていたが、専門家の間ではサウジアラビアがすぐには補填しないとの見方が広がっている。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 111.82/84 1.1212/16 125.40/44

午前9時現在 111.87/89 1.1221/25 125.56/60

NY午後5時 111.86/87 1.1225/29 125.58/62 

(為替マーケットチーム)

ロイター
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