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豪CPI、第1四半期は3年ぶり弱さ 利下げ観測高まる
[シドニー 24日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が発表した第1・四半期の消費者物価指数(CPI)は3年ぶりの低い伸びに鈍化し、年内利下げの観測を強める格好となった。
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は今月、インフレ率が低水準にとどまり失業率が上昇し続けた場合には利下げが「適切に」なるとの見方を示している。[nL3N21Y0LU]
第1・四半期のCPIは前期比横ばいと、市場予想の0.2%上昇を下回り、前期比マイナスを記録した2016年初め以来の弱さとなった。
前年比でも1.3%上昇と、前期(1.8%上昇)から伸びが鈍化し、16年第3・四半期以来の低い上昇率にとどまった。
中銀が基調的なインフレ率として重視する指標(トリム平均値と加重中央値の平均)は前年比で約1.4%上昇となり、中銀の目標レンジ(2─3%)を13四半期連続で下回った。
前回インフレがこれほどに鈍化した際、中銀は2016年5月と8月の2回の利下げで対応した。
CPI統計を受け、豪ドル
第1・四半期のCPIはガソリンや旅行・宿泊などが重しとなった。ガソリン価格はその後大幅に上昇しており、第2・四半期は物価押し上げ要因になる可能性が高い。
干ばつが一部影響した食品や中等教育は価格が上昇した。
RBCキャピタル・マーケッツの豪債券戦略担当トップ、スリン・オン氏は「データはいずれも非常に弱く、非常にディスインフレ的な環境の中で、今年初めの物価上昇率が明確に鈍化したことを示している」と指摘。
「重要な点は、インフレ率が中銀の予想とは全く別の方向に向かっており、利下げの根拠が増していることだ」と述べた。
金利先物市場<0#YIB:>が織り込む5月の利下げの確率は44%に急上昇。7月の25bp利下げは完全に織り込まれた。今週初めは10月の利下げを織り込む水準だった。
BISオックスフォード・エコノミクスのチーフエコノミスト、サラ・ハンター氏は「今日の指標は、4─6月のコアインフレ率が中銀の予測である1.75%を下回ることを示唆している。中銀に対する利下げ圧力が強まるだろう」と指摘した。
*内容を追加しました。