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エジプト、国民投票で改憲支持 大統領の権限強化へ
[カイロ 23日 ロイター] - エジプトの選挙管理委員会は23日、20─22日に実施した国民投票で有権者の90%近くが憲法改正を支持したと発表した。これにより、シシ大統領が最長2030年まで在職する可能性が出てきた。
選管によると、投票率は44.33%で、賛成88.83%、反対11.17%だった。
ラシーン・イブラヒム選管委員長は国営テレビで開票結果を発表し、改正事項は直ちに憲法として有効だと述べた。
改憲により、シシ大統領は現任期が4年から6年に延長され、2024年にはさらに6年の任期で3期目の出馬が可能になる。1人以上の副大統領を任命することも可能になる。
また、司法当局者の任命に関する権限を大統領に付与し、軍に「憲法と民主主義」を保護する役割を付える。
カーネギー国際平和財団のミシェル・ダン上級研究員は選管が発表した投票率の信頼性に懐疑的な見方を示した。
改憲反対派も、投票プロセスは非民主的で、国民は反対意見を示す余地がなかったと批判し、選挙は無効だと主張した。
選管は22日、不正に関する正式な報告は受けていないとしている。
シシ大統領はツイッターで、国民に対する「感謝と誇り」を表明した。
大統領支持者は同氏がエジプトを安定させたとし、経済の改革・発展には一段の時間が必要だと主張している。
一方で、改憲によって政治勢力間の競争や議論の余地が狭まり、長期独裁への道が開かれるのではないかとの懸念も出ている。