ニュース速報

米、産業スパイでGE元技術者ら起訴 「中国が金銭など支援」

2019年04月24日(水)09時11分

[ワシントン 23日 ロイター] - 米司法省は、中国に利益をもたらすために産業スパイ活動を行い、米ゼネラル・エレクトリック(GE)から企業秘密の窃盗を企てたとして、GE元技術者と中国人実業家の2人を正式起訴した。司法省が23日、起訴状を公表した。

米政府は今回初めて、GEを巡る産業スパイ活動が中国の利益のために行われ、中国政府がこれに「金銭面などの支援」を提供していたとの公式見解を示した。

起訴状によると、2人は14件の罪で18日に起訴された。鄭小清(Xiaoqing Zheng)被告(56)は職場だったGEパワー&ウォーターでガス・蒸気タービンの設計などに関するデータを含んだ複数の電子ファイルを暗号化して盗み、それらを電子メールで中国にいる実業家のZhaoxi Zhang被告に送付した。

鄭被告は昨年8月、GEから企業秘密を盗んだ疑いで、訴追されていた。

両被告は盗んだ情報を使って、中国で経営するタービン開発企業2社の利益につなげようとしたとされる。起訴状によると、この中国企業2社を通じて両被告は中国政府から金銭などの支援を受けていたほか、2人は中国政府当局者と連絡を取り合っていたという。

鄭被告は23日、無罪を主張。保釈が認められた。代理人はコメントを差し控えた。

GEは声明で今回の問題について「司法当局に協力している」と明らかにした。

陪審員による裁判は6月24日に設定されている。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米テスラの世界的人員削減、米国や中国でも実施=関係

ビジネス

ユーロ圏貿易黒字、2月は前年比で急増 輸入が大幅減

ビジネス

アジア特化ヘッジファンド、第1四半期は日本株高など

ビジネス

中国の粗鋼生産、3月は前年比-7.8% 需要低迷で
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 5

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 6

    キャサリン妃は最高のお手本...すでに「完璧なカーテ…

  • 7

    韓国の春に思うこと、セウォル号事故から10年

  • 8

    中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界が…

  • 9

    中国の「過剰生産」よりも「貯蓄志向」のほうが問題.…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 4

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 5

    ドイツ空軍ユーロファイター、緊迫のバルト海でロシ…

  • 6

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 7

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 8

    金価格、今年2倍超に高騰か──スイスの著名ストラテジ…

  • 9

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 10

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中