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英・アイルランド国境問題、米EU通商合意を危うく=米有力議員
[ダブリン 19日 ロイター] - 米民主党の有力下院議員であるリチャード・ニール氏は欧州連合(EU)に対し、英国のEU離脱を巡って英領北アイルランドの1998年和平合意を損なう取り決めがなされれば米EU通商合意を危うくしかねないと警告した。アイリッシュ・タイムズ紙が19日に伝えた。
EUは先週、米国との通商合意を巡る交渉を始める用意があると表明。年末までに合意を取りまとめることを目指す。
同紙によると、貿易を統括する下院委員会の委員長を務めるニール議員は、米EU通商合意を望んでいるとした上で「あなたがた(EU)が『(北アイルランドを巡る)聖金曜日の和平合意』をくじいたり、弱めたりすれば、国境を巡って同じ問題に戻ることになる」と語った。
同議員はペロシ米下院議長とともにアイルランドを訪問中。
EUは、北アイルランドとアイルランドの国境に何らかの施設を設けることにつながる英EU離脱合意は受け入れないと主張。こうした施設はアイルランドの民族主義者を刺激し、過激派の標的となる可能性がある。
ただ、英国の政治家の中には、合意をまとめるため、こうした要求についてEUに譲歩を求める向きもいる。
ニール議員は、いかなる英EU離脱合意も和平合意の神聖さを維持しなければならないと述べた。
EU加盟国であるアイルランドと北アイルランドの500キロに及ぶ国境を英国のEU離脱後もいかにオープンにしておくかが、英EU離脱において最も難しい問題となっている。
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