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「一帯一路」は地政学ツールではない、懸念には対応=王毅国務委員
[北京 19日 ロイター] - 中国の王毅国務委員兼外相は19日、来週北京で開催する「一帯一路サミット」を前に記者会見し、巨大経済圏構想「一帯一路」は「地政学的ツール」でなく、参加国に債務危機をもたらすものでないと主張した。ただ、一帯一路を巡る懸念にどう対応するかについて建設的な提言を歓迎すると述べた。
4月25─27日に開催される「一帯一路サミット」は2017年に続き2回目。今回は37人の外国の首脳が出席する予定だが、米国の代表団に高官は含まれていない。
古代シルクロードの現代版とされる一帯一路は、習近平国家主席の最重要政策の1つだ。
しかし、米国をはじめとする西側諸国は、中国の影響力を諸外国に広げる手段にすぎず、参加国は不透明なプロジェクトによって過大な債務を負わされると批判している。
米国は、主要7カ国(G7)の中で初めてイタリアが一帯一路に参加したことに不満を募らせている。
王毅委員は会見で、一帯一路は参加国に実質的な利益をもたらしたと主張。
「このパートナーシップ関係は地政学的ツールではなく、協力のためのプラットフォームだ」とし、「『債務危機』といった指摘は当たらないし、参加国が認めるところでもない」と述べた。
「当然のことながら一帯一路は道半ばだ。一足飛びに完成するものではなく、その途上で懸念が生じるのは避けられない。したがって、われわれはあらゆる方面からの建設的な提言を歓迎する」と語った。
<150カ国以上が参加>
王毅委員によると、今回のサミットには150カ国以上が代表を派遣し、参加者は約5000人に達する見通し。
出席する諸外国の首脳は前回の29人から増えた。中国と緊密な関係を持つパキスタンやロシアのほか、イタリア、スイス、オーストリアも参加する。
米国務省の報道官は今月初め、ハイレベルな代表団を派遣しない方針を明らかにした。
王毅委員は、米国から外交官や財界幹部、学識者が参加すると述べたが、詳細は明らかにしなかった。
「関心がある国はどの国でも歓迎する。米国が参加するかどうかは、米国が決めることだ」と述べた。
2年前の第1回サミットの際、米国は、北朝鮮が出席することについて中国側に抗議した。
王毅委員は、今回のサミットにも北朝鮮が参加する予定と述べたが、詳細は明らかにしていない。
「これ(一帯一路)は経済協力構想であるため、(北朝鮮の参加は)普通だと思う。どの国も自由に参加できるが、他国の参加を妨げる権利はないと考える。これはオープンで包括的なプラットフォームだ」と述べた。