ニュース速報

中国全国の新築住宅価格、3月は前月比+0.6%に伸び加速

2019年04月16日(火)15時41分

[北京 16日 ロイター] - 中国国家統計局が発表したデータに基づくロイターの算出によると、3月の主要70都市の新築住宅価格は、平均で前月比0.6%上昇となった。中国政府が景気刺激策を講じる中、伸びは2月の0.5%から加速した。

47カ月連続の上昇となった。新築住宅価格が上昇したのは70都市中65都市で、前月の57から増加した。

前年同月比では10.6%上昇し、伸びは2017年4月以来の高水準となった。2月は10.4%上昇だった。

3級都市の価格が前月比0.7%上昇し、伸びが目立った。2月は0.4%上昇だった。

北朝鮮との国境の都市、丹東では前月比1.9%上昇し、値上がり率がトップだった。

北京、上海、深セン、広州の価格は前月比0.2%上昇。伸びは2月の0.3%から鈍化した。2級都市の価格は0.6%上昇。前月は0.7%上昇だった。

銀行が貸し出し基準を緩和し住宅ローン金利を引き下げたことで、一段の価格上昇を見込む向きが住宅市場に戻りつつある。

中原のアナリスト、チャン・ダウェイ氏は「一部の都市では過去数カ月間で価格が大幅に下落した。貸し出し基準が緩やかになったことを受けて、好機を逃したくない買い手が市場に押し寄せている」と述べた。

<さらなる上昇の可能性>

最近のロイター調査によると、中国の住宅価格は今年、数カ月前に予想されていたよりも大幅な伸びになる見通し。中国政府が銀行に対して、経済を支援するために融資拡大や金利引き下げを促していることが背景。

オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)のエコノミスト、トミー・シエ氏は、中国の住宅市場は、借り入れコスト上昇懸念の緩和や、株高による資産価値の上昇などで勢いを盛り返していると指摘。それでも、最近の住宅市場の堅調が続くかどうかを判断するには、世界経済の動向や米中貿易交渉の行方を見極める必要がある、との見方を示した。

華宝信託のエコノミスト、ニエ・ウェン氏は「2008年以降(中国当局が)金融政策を緩和したときは必ず住宅価格を押し上げた」と指摘し、「住宅ローン金利の低下を背景にペントアップ需要(繰り越し需要)が顕在化した。このため先月は比較的大幅な値上がりになった」と分析した。

同氏は住宅価格がこの先、大幅に値上がりするのではなく現在のペースで上昇すると予想。政府は依然として債務比率の圧縮に取り組んでおり、今年は中央政府による貧困地域の再開発計画が先送りされる公算が大きいとの見方を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
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