ニュース速報

FRB、インフレ鈍化なら利下げも 可能性は低い=シカゴ連銀総裁

2019年04月16日(火)13時21分

[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンス総裁は15日、米連邦準備理事会(FRB)は物価上昇が鈍化すれば、インフレ支援に向け利下げを実施することもできるとの認識を示した。ただ、こうしたことが現実のシナリオになる公算は小さいと述べた。

総裁は講演後に記者団に対し、現在の金利の水準に違和感はないとしながらも、柔軟な政策運営が可能になるようインフレが上向くことを望んでいると述べた。

ロイターの質問に対しては、食品とエネルギーを除いたインフレ率が1.5%に低下した場合、成長率が長期トレンド付近にあり失業率が低水準にとどまっていても、利下げの根拠になると述べた。ただ、インフレの鈍化は現時点で想定していないとした。

エバンズ総裁はこれに先立ち、FRBはインフレ率が一時的に2%をやや超えるのを容認すべきとの考えを表明。ニューヨークで行った講演で「政策は最大雇用義務を達成する点で成功しているが、インフレ目標に関してはあまり成功していない」と述べた。

「この問題を解決するために、FRBはインフレ率がしばしば2%を超えることを受け入れるべきだと思う。明白な物価上昇の勢いがなく、2%に戻る道が適切に管理されている限り、2.5%のコアインフレ率でも安心だと言えるだろう」と述べた。

米中通商交渉の行方など「不透明感の高まり」を踏まえ、一段の利上げに忍耐強く臨むFRBの姿勢に支持を表明した。「現時点で上振れシナリオより下振れシナリオに伴うリスクが大きくなっている」と指摘した。

成長が潜在水準近辺なら「幾分かの追加利上げが次第に適切となる可能性」があると予想。ただ、「活動が想定以上に軟化したり、インフレやインフレ期待が低すぎたりする場合には、政策を据え置くか、目標達成に向け適切な緩和供給を行うため、恐らく緩和さえも必要となる可能性がある」と話した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インフレに忍耐強く対応、年末まで利下げない可能性=

ワールド

NATO、ウクライナ防空強化に一段の取り組み=事務

ビジネス

米3月中古住宅販売、前月比4.3%減の419万戸 

ビジネス

米新規失業保険申請、21万2000件と横ばい 労働
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 4

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲…

  • 7

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 8

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 9

    インド政府による超法規的な「テロリスト」殺害がパ…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中