ニュース速報

新たな対メキシコ経済制裁を検討、違法薬物密輸巡り=米大統領

2019年04月06日(土)05時28分

[ワシントン 5日 ロイター] - トランプ米大統領は5日、メキシコを通して米国に密輸される違法薬物を巡り、関税措置とは別の経済制裁の導入を検討していることを明らかにした。

トランプ氏は前日、移民、違法薬物密輸問題への対応でメキシコが引き続き米国に協力しなければ、メキシコからの輸入する自動車に関税を課すことも辞さない構えを示し、関税をかける場合は税率は25%に設定すると表明。

この日はツイッターで、メキシコが不法移民の拘束や本国送還をやめれば、国境閉鎖も辞さない構えを改めて示した。

「米国の南側の国境からメキシコを通して密輸される5000億ドルの違法薬物に対する経済制裁を検討している」と表明、薬物流入で米国民が死亡し、多くの家庭が崩壊したとの認識も示した。

トランプ氏は、違法薬物に関連する措置は北米自由貿易協定(NAFTA)を改定した「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の条項に優先するものとなると表明。「違法薬物を押収し、密輸元の国に送り戻すことをメキシコがやめれば、米国はメキシコから輸入するすべての自動車に25%の関税を掛ける。これで効果が出なければ、米国は国境を閉鎖する。こうしたことはUSMCAの下での合意事項より優先される」とツイートした。

トランプ氏が具体的にどのような新たな制裁措置を検討しているのかや、5000億ドルという数字の出所も現時点で分かっていない。ホワイトハウスからも詳細に関するコメントは得られなかった。

米麻薬取締局(DEA)の元幹部は、国内に密輸される薬物は年間500億─600億ドル相当でないかと推定し、トランプ氏が自国の薬物問題の責任をメキシコに転嫁したと指摘。「トランプ氏は米国内の需要抑制や薬物治療センター支援に注力すべきだ」と訴えた。

トランプ氏は2日間の日程で国境近辺を含む地域を訪問する。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中