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中国、経済成長支援に預金準備率や金利の活用が可能=李首相
[北京 15日 ロイター] - 中国の李克強首相は15日、全国人民代表大会(全人代)の閉幕後の会見で、当局は経済成長を支援するため、預金準備率や金利を活用することが可能だと述べ、急激な成長減速の回避へ対策を講じる構えを示した。
「当然ながらわれわれは今年、多くの不確実要因に直面している。一段の準備が必要で、(不確実性に対処するための)政策を打ち出す余地を残してある」と語った。
さらに預金準備率や金利を活用した政策を用いることができると指摘し「これは金融緩和ではないが、より効果的に実体経済を支える」と説明した。
モルガン・スタンレーはリポートで首相の発言について「財政支出の拡大と予想よりも早い減税の開始を明確にすることで、一貫した成長重視のスタンスを再確認するものだ」と分析した。中国経済は第2・四半期から成長が加速し始めるとの見方を示した。
政府が成長を支援する姿勢を再表明したことで15日の中国株式市場は上昇し、人民元の対ドル相場
首相の発言からは、中国政府が企業や消費者の負担を軽減するために一段の景気刺激策を打ち出す方針であることが読み取れる。
中国人民銀行(中央銀行)はここ1年で預金準備率を5回引き下げており、1月中の2度の引き下げを通じ、1兆5000億元(2232億ドル)を金融システムに供給した。
最新の経済指標で中国の需要低迷が長引く状況が示され、さらなる景気減速の懸念が強まる中、年内に預金準備率が一段と引き下げられると広く予想されている。
<減税と手数料引き下げ>
李首相は会見で、政府が発表した減税と手数料引き下げは4月1日から実施し、社会保障料は5月1日から引き下げると述べた。
製造業向けの付加価値税(VAT)率は現行の16%から13%に引き下げられる。運輸・建設業向けのVAT率は10%から9%に引き下げられる。
李首相は、政府が間もなく発表する減税が地方政府の財政に打撃を与えるとの懸念に対処するため、中央政府は内陸および西部の省を支援すると述べた。
また、政府は景気支援の一環で、零細企業の資金調達コストを今年1%ポイント引き下げるための複数の措置を講じると述べた。
首相は2018年の中国経済は6.6%の成長をどうにか達成できたと発言。国内経済は一段の下振れ圧力に直面しているが、政府は妥当なレンジでの成長維持に努めると強調した。
政府は今年の成長率目標を6─6.5%に設定している。
首相は2019年に前年と同水準の1300万件の雇用を創出したいと明らかにした。
「経済(成長)が妥当な範囲から外れる事態は回避する。つまり大量のレイオフは起こさせないということだ」と述べ、大規模な雇用創出を実現した企業には政府が支援する考えを示した。
<貿易戦争>
首相は米中関係について、両国の経済を切り離すことは現実的でないと述べ、世界の2大経済国における共通の利益は争いよりもはるかに重要だと指摘。
「(通商)協議が実のあるものとなり、双方に恩恵をもたらすウィンウィンの結果をもたらすことを望む。これは世界が期待していることでもある」と語った。また、米中貿易摩擦は他国に影響しないとの考えを示した。
首相は、中国は自国経済を外国投資家に開放する約束を果たすと述べるとともに、知的財産権保護法の改正を検討中だと明らかにした。中国は国内企業に他国でスパイ活動を行うよう指示したことはなく、今後もないと強調した。
*内容を追加しました。
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