ニュース速報

積極的な財政政策、大規模な刺激策にあたらず=中国財政相

2019年03月07日(木)16時02分

[北京 7日 ロイター] - 中国の劉昆財政相は7日の記者会見で、積極的な財政政策は大規模な刺激策にあたらないとの考えを示した。また、当局は地方政府の債務リスクを特に懸念していると述べた。

今年の財政赤字目標が国内総生産(GDP)比2.8%と、昨年の目標である2.6%を上回ったことについて、経済にとって適切な水準であって、当局者に政策余地があると指摘。「費やされるべきでない資金は一銭も使わない。費やされるべき資金の確保に懸命に取り組む」と述べた。

李克強首相は5日開幕した全国人民代表大会(全人代=国会)で政府活動報告を行い、内需の鈍化や米中貿易戦争からの圧迫を受ける中、追加減税やインフラ投資の拡大を行うと表明した。[nL3N20S0OX]

劉財政相は、予定されている減税は地方政府の財政を一部圧迫すると認めた上で、中央政府から地方政府により多くの資金が移されるとした。

同相は、一部の省が給与支給、業務維持、社会保障に関して困難に直面していることを中央政府が深く懸念していると述べた。

「財政赤字の比率の設定は、歳入や地方政府の特別債を含む要因を十分に考慮したもので、将来的なマクロ調整に向けてより大きな政策余地を残す」との考えを示した。

また、政府が特定の国有金融機関や中央政府直轄企業からより多くの利益を集めることで、減税による歳入減の一部を補うことを目指すと述べた。詳細には言及しなかった。

同相は、中国政府は新たな隠れ債務を容認せず、地方政府による違法な融資保証を厳重に禁止するとも語った。

ロイター
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