ニュース速報

NY市場サマリー(22日)

2019年02月23日(土)08時00分

[22日 ロイター] - <為替> ドルが下落した。米中首脳が通商問題で合意する公算が大きいとの見方を示したことで、リスク資産に資金が流れたことが背景。

トランプ米大統領はこの日の午後、中国の習近平国家主席と近く会談する見通しを示し、両国の通商問題について最終的に合意する可能性があると述べた。[nL3N20H51K]習主席も同様のメッセージをトランプ大統領宛の書簡で伝えた。[nS0N1ZW00N]

トランプ大統領は協議に進展が見られれば3月1日の合意期限を延長する可能性もあるとの考えも示している。[nL3N20H51K]

オアンダ(トロント)のシニア市場アナリスト、アルフォンソ・エスパルサ氏は「市場は再び『リスクオン』モードに入り、これによりドルが圧迫されている」と指摘。「合意期限の3月1日が近づいているが、新たな関税措置は直ちに発動されないとの楽観的な見方から、株式とコモディティ(商品)に資金が流れている」と述べた。

午後の取引で主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.1%低下の96.493。

このところの米経済指標が強弱混交となっていることを反映し、ドルは先週は1%を超えて上昇したものの、今週に入ってからは0.5%下落している。

終盤の取引でユーロ/対ドルは1.1334ドルと、おおむね横ばい。20日の取引では米中通商問題が解決に向かうとの期待から2週間ぶりの高値を付けていた。

ユーロの今後の動きを占うに当たり、アナリストは欧州の経済成長の減速が長期化するかどうかに注目している。独IFO経済研究所がこの日に発表した2月の業況指数は98.5と、6カ月連続で低下。2014年12月以来の低水準となり、市場予想の99.0も下回った。[nL3N20H39M]

豪ドルは対米ドルで0.6%高の0.7134米ドル。中国が同国からの石炭輸入を禁止したとの報道を否定したことで買い戻された。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米国債利回りが低下。市場関係者からは米連邦準備理事会(FRB)当局者からの発言が利回り低下の一因との見方が出ている。

USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア・インベストメント・ディレクター、ビル・ノージー氏は「クラリダ副議長など一部FRB当局者の政策見直しに関するコメントを受け、米債市場全体にわたって極めて堅調な値動きとなった」と述べた。

クラリダ副議長はこの日、FRBは今年、先入観を持たず金融政策の枠組みの見直しに着手し、物価安定と完全雇用の達成に向けた調整を行う可能性があるとの見解を示した。[nL3N20H4V3]

米10年債利回りは3.8ベーシスポイント(bp)低下。終盤では2.650%。2年債利回りは4bp低下の2.489%。30年債利回りは3.1bp低下の3.015%。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 反発。米中通商協議が進展しているとの期待から、S&P総合500は昨年11月8日以来の高値で引けた。S&Pは12月終盤に付けた安値から約19%上昇している。

米中閣僚級の通商協議はこの日、2日目を迎えた。追加関税発動の期限である3月1日が1週間余りに迫る中、貿易戦争終結に向けた合意を目指している。

チェース・インベストメント・カウンセルのピーター・タズ社長は「近い将来に米中間の貿易・関税問題で明るいニュースが出てくることが期待されている」と述べた。

ただ、中国の技術移転の強制問題などを巡り、交渉にはなお時間が必要となる公算が大きいとの米高官の発言を受け、株価は一時上げ幅を縮小する場面もあった。

ただ、トランプ大統領はその後、米中は貿易戦争終結に向け合意に至る公算が極めて高いとの認識を示し、3月1日に設定している交渉期限を延長する意向であることを明らかにした。[nL3N20H51K]

プルデンシャル・フィナンシャルの首席市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「中国経済の安定化が世界市場にとって前向きであるため、そうした結果を市場は期待している」と述べた。

S&P情報技術株<.SPLRCT>は1.3%高で、全体の上昇を主導した。貿易問題に敏感なS&P工業株<.SPLRCI>も0.6%上昇した。

週足では主要株価3指数そろて上昇し、ダウ平均とナスダック総合は9週連続での上昇となった。

一方、第4・四半期決算が低調な内容に終わった食品大手クラフト・ハインツは27.5%急落。「クラフト」「オスカー・マイヤー」の商標に関連し、同四半期にのれん代の減損処理費用として154億ドルを計上した。

クラフトの主要株主バークシャー・ハザウェイのクラスBE株も1.7%安となった。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.99対1の比率で上回った。ナスダックでも2.45対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約69億株。直近20営業日の平均は73億株。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 対ユーロで弱含んだドル相場の動向を追い風に買いが入り、反発した。中心限月4月物の清算値は前日比5.00ドル(0.38%)高の1オンス=1332.80ドル。週間では0.81%上昇し、2週連続のプラスとなった。

早朝までは方向感が定まらず、前日清算値付近でもみ合う展開。しかし、朝方の外国為替市場でドルがユーロに対して弱含みに転じ、ドル建てで取引される金塊の割安感が生じたことなどを手掛かりにプラス圏に浮上した。

前日に発表された一連の米経済指標がさえない内容だったため、連邦準備制度理事会(FRB)が年内は利上げを休止するのではないかとの臆測が再燃し、金利を生まない資産である金塊買いを支援。ただ、一部メディア報道で進展が伝えられる米中通商協議の行方を見極めたいとの思惑も強く、総じて様子見ムードが広がっていた。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 米中貿易協議の進展に対する期待が広がる中、反発した。米国産標準油種WTI4月物の清算値は前日比0.30ドル(0.53%)高の1バレル=57.26ドルと、昨年11月12日以来約3カ月ぶりの高値を更新した。5月物は0.29ドル高の57.75ドルだった。

ホワイトハウスは前日、ワシントンで行われている米中貿易閣僚級協議に合わせて、トランプ米大統領と中国の劉鶴副首相が22日午後に会談すると発表。また米メディアはこの日午後、米中両国が3月下旬に首脳会談を開催する方向で調整していると報じた。これらの情報を受けて、両国間の貿易摩擦解消に向けた協議の進展に期待が広がり、欧米の主要株価が全面高となる中、株と並んでリスク資産とされる原油にも買いが入った。また、両国のエネルギー需要減退に対する懸念後退が追い風となったほか、石油輸出国機構(OPEC)主導による協調減産を受けた世界的な需給均衡への期待も相場を下支えした。

ただ、米エネルギー情報局(EIA)が前日に発表した週報では、最新週の国内産油量が前週から増加し、日量1200万バレルと記録的な水準に達したことが判明。米国内で続く増産傾向への懸念も根強く、上値はやや重かった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 110.68/110.71

始値 110.85

高値 110.88

安値 110.57

ユーロ/ドル NY終値 1.1341/1.1346

始値 1.1336

高値 1.1357

安値 1.1317

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 99*21.50 3.0167%

前営業日終値 99*04.00 3.0450%

10年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.00 2.6536%

前営業日終値 99*14.50 2.6880%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*04.25 2.4710%

前営業日終値 99*30.75 2.5080%

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*00.13 2.4974%

前営業日終値 99*30.25 2.5290%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 26031.81 +181.18 +0.70 <.DJI>

前営業日終値 25850.63

ナスダック総合 7527.55 +67.84 +0.91 <.IXIC>

前営業日終値 7459.71

S&P総合500種 2792.67 +17.79 +0.64 <.SPX>

前営業日終値 2774.88

COMEX金 4月限 1332.8 +5.0 <0#GC:>

前営業日終値 1327.8

COMEX銀 3月限 1591.4 +11.3 <0#SI:>

前営業日終値 1580.1

北海ブレント 4月限 67.12 +0.05 <0#LCO:>

前営業日終値 67.07

米WTI先物 4月限 57.26 +0.30 <0#CL:>

前営業日終値 56.96

CRB商品指数 184.0604 +0.6511 <.TRCCRB>

前営業日終値 183.4093

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