ニュース速報

ドル軟調、米中通商合意への期待で安全需要低下=NY市場

2019年02月23日(土)07時29分

[ニューヨーク 22日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが下落した。米中首脳が通商問題で合意する公算が大きいとの見方を示したことで、リスク資産に資金が流れたことが背景。

トランプ米大統領はこの日の午後、中国の習近平国家主席と近く会談する見通しを示し、両国の通商問題について最終的に合意する可能性があると述べた。習主席も同様のメッセージをトランプ大統領宛の書簡で伝えた。

トランプ大統領は協議に進展が見られれば3月1日の合意期限を延長する可能性もあるとの考えも示している。

オアンダ(トロント)のシニア市場アナリスト、アルフォンソ・エスパルサ氏は「市場は再び『リスクオン』モードに入り、これによりドルが圧迫されている」と指摘。「合意期限の3月1日が近づいているが、新たな関税措置は直ちに発動されないとの楽観的な見方から、株式とコモディティ(商品)に資金が流れている」と述べた。

午後の取引で主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.1%低下の96.493。

このところの米経済指標が強弱混交となっていることを反映し、ドルは先週は1%を超えて上昇したものの、今週に入ってからは0.5%下落している。

終盤の取引でユーロ/対ドルは1.1334ドルと、おおむね横ばい。20日の取引では米中通商問題が解決に向かうとの期待から2週間ぶりの高値を付けていた。

ユーロの今後の動きを占うに当たり、アナリストは欧州の経済成長の減速が長期化するかどうかに注目している。独IFO経済研究所がこの日に発表した2月の業況指数は98.5と、6カ月連続で低下。2014年12月以来の低水準となり、市場予想の99.0も下回った。

豪ドルは対米ドルで0.6%高の0.7134米ドル。中国が同国からの石炭輸入を禁止したとの報道を否定したことで買い戻された。

ドル/円 NY終値 110.68/110.71

始値 110.85

高値 110.88

安値 110.57

ユーロ/ドル NY終値 1.1341/1.1346

始値 1.1336

高値 1.1357

安値 1.1317

ロイター
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