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カリフォルニアなど米16州、非常事態宣言巡りトランプ政権提訴
[ワシントン 18日 ロイター] - トランプ米大統領がメキシコ国境の壁建設資金を確保するために国家非常事態を宣言したことを受け、カリフォルニア州を筆頭に16の州が18日、トランプ政権を提訴した。
訴訟が提起されたのはカリフォルニア州北部地区の連邦地裁。
カリフォルニア州のザビエル・ベセラ州司法長官(民主党)は声明で「プレジデンツデー(歴代大統領の日)のきょう、われわれは大統領権限の乱用を阻止するためにトランプ大統領に対して訴訟を起こす」と表明。「議会が国民のために合法に確保した税金をトランプ大統領が一方的に奪うのを阻止するため、提訴する」と説明した。
カリフォルニアの他、コロラド、コネティカット、デラウェア、ハワイ、イリノイ、メーン、メリーランド、ミネソタ、ネバダ、ニュージャージー、ニューメキシコ、ニューヨーク、オレゴン、バージニア、ミシガンの15州が訴訟に加わった。
非常事態宣言により、トランプ大統領は議会が他の用途に承認した予算を国境の壁建設にまわすことが可能になった。
原告側は、非常事態宣言により、薬物取り締まりを行う州兵部隊のための連邦予算、数百万ドルが失われる上、軍施設建設費として承認された予算から壁建設に資金が振り向けられることは経済に悪影響を与えると主張した。
ホワイトハウスは、提訴に関するコメントを差し控えた。
トランプ大統領が非常事態を宣言した15日には、テキサス州の地主3人と環境団体が非常事態宣言による憲法違反と所有権侵害を訴えて、裁判を起こしている。
一連の訴訟は、トランプ大統領が進める国境の壁建設を遅らせる可能性がある。最終的には、保守派が優勢の最高裁に持ち込まれる公算が大きい。
べセラ州司法長官は17日と18日のテレビインタビューで、壁建設のために非常事態を宣言する必要はないとする大統領の発言を、非常事態を宣言する状況にないことの証拠として裁判で用いると述べた。
トランプ大統領は15日、非常事態宣言を行う必要はないが、壁建設のプロセスを加速させたいと発言。この発言により、政府の法的主張が弱体化する可能性がある。
原告側は提訴にあたり、「大統領自らが認めた通り、非常事態宣言は必要ない」とし、「連邦政府のデータ自体が、南部国境での壁建設を正当化するような非常事態が起きていないことを証明している」と主張した。
*内容を追加しました。