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海外勢の米国債売り越し過去最高、中国の保有7カ月ぶり増
[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米財務省が15日発表した12月の対米証券投資統計によると、海外投資家による米国債の売り越しが過去最大となった。連邦準備理事会(FRB)が2019年に利上げを複数回実施するとの見方が12月まで支配的だったことを反映した。
海外投資家による米財務省証券投資は773億5000万ドルの売り越しで、1978年の統計開始以来、最大となった。11月は132億ドルの売り越しだった。
アクション・エコノミクスの世界債券部門マネジング・ディレクター、キム・ルパート氏は「12月時点ではまだ、FRBが今年利上げするとの観測が広がっていた」と指摘。
FRBは12月19日の連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り利上げを決定し、金融市場の不安定化や世界的な景気減速の悪影響を認めながらも、2019年に追加利上げを複数回実施する構えを示した。
ルパート氏は、FRBが12月半ばから下旬になるまで「姿勢を明確に変えなかった」ため、米国債の魅力が薄れていたと説明した。
ただ、長期金利の指標となる10年債利回りは12月末までに、月初の3.01%から2.69%に低下。アナリストらは、海外勢全体の米国債保有が増加したことが要因かもしれないと分析した。海外勢全体の保有は6兆2600億ドルと、前月の6兆1990億ドルから増えた。
中国の米国債保有は7カ月ぶりに増加。12月の保有額は1兆1230億ドル。前月は1兆1210億ドルだった。米国を除く国別保有高で首位を維持した。
日本の米国債保有は1兆0420億ドルと、前月の1兆0360億ドルから増加。
海外投資家による米長期有価証券投資(株式スワップ等除く)は483億ドルの売り越しで、6カ月ぶりに売り越しに転じた。
米国株投資は182億1000万ドルの売り越しで、前月の56億ドルから売り越し幅が拡大し、8カ月連続の売り越しとなった。
*16日配信の記事に内容を追加して再送します。