ニュース速報
米議会、国境警備予算の最終草案作成 14日に採決へ
[ワシントン 13日 ロイター] - 米議会は13日遅く、政府機関の再閉鎖回避に向けた国境警備予算の最終草案をまとめた。草案は、9月30日までの国土安全保障省などの予算を手当する内容。トランプ大統領が求めるメキシコ国境の壁の建設費用57億ドルは盛り込まれていない。
下院歳出委員会のニタ・ローウィー委員長(民主党)は声明で「トランプ大統領の国境の壁の予算は盛り込まれていない。より人道的な出入国管理制度にするための重要な措置が複数盛り込まれている」と表明した。
議会関係者によると、最終草案には、国境沿いに88.5キロメートルの物理的な障壁を建設する予算として13億7000万ドルを計上。建設費は昨年度と同額で、トランプ大統領が求める金額を大幅に下回っている。
予算案が成立すれば、移民関連の訴訟に対応する判事や国境監視員を増員することが可能。中米諸国への人道支援を継続するため5億2700万ドルの予算も計上した。
下院民主党の関係者によると、予算案はまず上院で14日に採決する。可決された場合は、14日夜に下院で採決が行われ、現行のつなぎ予算の期限が切れる15日までにトランプ大統領に送付される見通し。
予算案が成立しない場合、連邦政府機関の約4分の1が再び閉鎖されることになる。
トランプ大統領は13日、政府機関の再閉鎖を望んでいないとした上で、与野党が大筋合意した予算案に「地雷」が潜んでいないか見極めると語った。
同大統領は「予算案を受け取っていない。受け取った段階で地雷を探す」とし、予算案を精査した後、署名するかどうか決定すると述べた。[nL3N208506]
ホワイトハウスに近い複数の関係筋によると、トランプ大統領は国境沿いに障壁を建設するため、大統領権限を利用して他の連邦予算を障壁の建設費に振り向けられないか模索する可能性が高い。
関係筋がロイターに明らかにしたところによると、トランプ氏は特に大統領令の活用を検討している。
トランプ氏は以前、壁の建設費が計上されない場合は「国家非常事態」を宣言すると警告していたが、同氏が非常事態を宣言すれば、議会が反発し、訴訟が起こされることはほぼ確実とみられている。
*内容を追加しました。