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英CPI、1月は前年比+1.8% 2年ぶり低い伸び
[ロンドン 13日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した1月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.8%上昇と、2年ぶりの低い伸びとなった。イングランド銀行(英中銀、BOE)の目標水準を下回った。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は1.9%上昇だった。前月は2.1%上昇していた。
2016年の国民投票で欧州連合(EU)離脱が決定した後、ポンド安が進み、インフレが加速。2017年11月には3.1%上昇と5年ぶりの高水準を記録し、EUの平均を大幅に上回った。
現在では、EUとの差はほとんどなくなったが、エコノミストは、無秩序な離脱(ハードブレグジット)となれば、再び物価が高騰する可能性があるとみている。
コンサルティング会社EY・ITEMクラブのチーフエコノミックアドバイザー、ハワード・アーチャー氏は「インフレの一段の鈍化で、英中銀はEU離脱後まで政策金利について様子見姿勢をとり続けることになる」と述べた。
英中銀は先週、原油価格の下落などを背景に、インフレ率が向こう数カ月で目標水準の2.0%を下回る可能性が高いとの見方を示した。
ONSの統計担当者マイク・ハーディー氏は「インフレ率の低下は主にガス、電気、ガソリン価格の下落によるものだ」と述べた。
2017年終盤からインフレが鈍化し、賃金は10年ぶりのペースで上昇しているにもかかわらず、企業からはここ数カ月、個人消費が減速しているとの声が聞かれる。各種調査は、家計が2019年の見通しを懸念していることを示している。
1月の英生産者物価投入指数は前年比2.9%上昇し、EU離脱が決定した国民投票が行われた16年6月以来の低い伸びとなった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は3.8%上昇だった。
生産者物価の産出指数は前年比2.1%上昇し、16年10月以来の低い伸び。上昇率はコンセンサス予想(2.2%)をやや下回った。
一方、18年12月の英国全体の住宅価格は前年比2.5%上昇し、13年7月以来の低い伸びとなった。前月は2.7%上昇していた。ロンドンの住宅価格は6カ月連続で低下し、前年比0.6%低下した。