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メキシコ麻薬王「エル・チャポ」、米陪審が有罪評決 終身刑との見方

2019年02月13日(水)16時37分

[ニューヨーク 12日 ロイター] - 米ニューヨーク・ブルックリンの連邦裁判所で12日、メキシコの麻薬組織「シナロア・カルテル」の中心人物、ホアキン・グスマン被告(61)の公判が開かれ、麻薬組織を運営し米国に麻薬を密輸したなどとして、陪審が有罪評決を下した。

通称「エル・チャポ(ちび)」として知られるグスマン被告は、10の訴因すべてで有罪評決を受けた。量刑は6月25日に言い渡される予定。ニューヨーク東部地区のリチャード・ドナヒュー連邦検事は、仮釈放なしの終身刑となるとの見方を示した。

被告の弁護人は上訴する方針を示した。

グスマン被告はメキシコの麻薬戦争における中心人物の一人で、これまで同国の刑務所から2回脱走した。1993年に収監されたが、2001年に洗濯用のカートに隠れて脱走。その後2014年に再び身柄を拘束されたが翌年にはトンネルを通じて脱獄した。2016年1月にメキシコで拘束され、裁判のため翌年に米国に移送された。

裁判は11週間行われ、50人以上が証言台に立った。グスマン被告の元側近は、メキシコのペニャニエト前大統領が被告から1億ドル(約110億6500万円)の賄賂を受け取ったと証言した。前大統領の広報担当は収賄を否定している。

米政府は、被告がメキシコでライバル組織との対立や殺人などを通じて権力を固め、米国に大量のコカイン、ヘロイン、マリフアナ、メタンフェタミンを20年以上にわたり密輸したとしている。

米当局はグスマン被告がどの刑務所に収監されるかは明らかにしていないが、コロラド州にある警備体制が最も厳重な「ADXフローレンス」に送られると広く予想されている。同刑務所では1994年の開設以来、脱獄者はおらず、グスマン被告が再び逃走するのはほぼ不可能とみられる。

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ロイター
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